投資信託と信託財産の関係
投資信託は、多くの人が少しずつお金を出し合って、大きな資金を作り、それを専門家に運用してもらう仕組みです。この、みんなから集めたお金で運用されている財産の全体を信託財産と呼びます。
例えるなら、みんなで持ち寄ったお金で大きな買い物かごをいっぱいにしたようなものです。この買い物かごの中身が信託財産で、中には様々な商品が入っています。りんご(株式)やみかん(債券)、バナナ(不動産)など、様々な種類の商品が入っていると思ってください。
信託財産の中身、つまり買い物かごの中身は、投資信託の種類によって大きく異なります。例えば、国内の会社が発行する株に特化した投資信託の場合、買い物かごの中身はほとんどりんご(国内株式)でいっぱいです。一方、様々な種類の資産に投資するバランス型の投資信託の場合、りんご(株式)だけでなく、みかん(債券)やバナナ(不動産)など、様々な商品がバランスよく入っています。このように、様々な商品を組み合わせることで、一つの商品だけに絞るよりも、かご全体、つまり資産全体の価格変動リスクを抑える効果が期待できます。
ところで、この買い物かご、つまり信託財産は、誰が持っているのでしょうか? 実際には、私たちが出資者であるにも関わらず、信託銀行という組織が管理しています。私たちは、買い物かごの中にある商品の一部を保有する権利を持っているだけで、かご自体を直接所有しているわけではありません。これは、私たちの大切なお金を安全に守り、きちんと運用されているかを確認できるようにするための重要な仕組みです。信託銀行は、私たちの代わりに買い物かごを管理し、中身の商品の売買などを行い、利益を上げてくれるのです。