国際分散投資の頼れる味方:グローバルカストディ
企業年金などの長期的な資産運用にとって、世界中に投資を行うことは、今ではなくてはならない戦略となっています。ある特定の地域や市場のみに資産を集中させてしまうと、その地域や市場で何か問題が起きた際に、大きな損失を被る可能性が高まります。逆に、世界中に投資を分散させることで、特定の地域での損失を他の地域での利益で補うことができ、安定した運用成績を目指すことができるのです。これを国際分散投資といいます。
しかし、国際分散投資は単純ではありません。世界には様々な国があり、それぞれの国で証券取引所の仕組みやルール、取引の習慣などが大きく異なります。それぞれの国の制度や習慣を理解し、それに合わせた複雑な手続きや管理を行う必要があるのです。例えば、ある国では電子取引が主流でも、別の国では書面での取引が求められるといったこともあります。また、税金や為替の管理も複雑になります。
こうした複雑な国際分散投資を支えるために存在するのが、世界規模の資産管理サービス、グローバルカストディです。グローバルカストディとは、世界中に支店や提携先を持つ金融機関が、投資家の代わりに資産の保管、管理、運用を行うサービスのことです。預金口座のように世界中に散らばる資産を一元管理し、各国の複雑な手続きや管理を代行してくれます。
具体的には、グローバルカストディは、株式や債券などの有価証券の保管、売買の執行、配当金や利息の受け取り、税金の処理、為替の管理など、幅広い業務を担います。世界中に広がるネットワークと専門知識を持つことで、投資家は安心して国際分散投資を行うことができ、長期的な資産の成長を目指せるのです。まるで、世界を股にかける資産運用の案内人のような存在と言えるでしょう。