順張り逆張り:テクニカル指標を使いこなす

順張り逆張り:テクニカル指標を使いこなす

投資の初心者

先生、「オシレーター系」と「トレンド系」の違いがよくわからないのですが、教えていただけますか?

投資アドバイザー

そうですね。簡単に言うと、「オシレーター系」は上がりすぎ、下がりすぎを判断するのに使い、「トレンド系」は今の相場の流れを読むのに使います。例えば、「オシレーター系」は振り子のように動いて、上がりきったら下がる、下がりきったら上がるという動きを予測するのに役立ちます。一方「トレンド系」は、例えば川の流れのように、今どちらに流れているのか、どのくらいの速さで流れているのかを知るのに使います。

投資の初心者

なるほど。振り子と川の流れ、わかりやすいです!でも、具体的にどんな時に「オシレーター系」や「トレンド系」を使うのでしょうか?

投資アドバイザー

例えば、株価が上がりすぎてそろそろ下がるかな?と思ったら「オシレーター系」の指標を見て確認します。逆に、株価が下がりすぎてそろそろ上がるかな?と思ったら、同じく「オシレーター系」を見ます。一方、「トレンド系」は、例えば株価が上がり続けている時に、この流れはいつまで続くかな?どのくらい勢いがあるのかな?ということを知るために使います。つまり、「オシレーター系」は逆張り、「トレンド系」は順張りに使います。

オシレーター系・トレンド系とは。

株の値動きを予想するやり方の一つに、『テクニカル分析』というものがあります。テクニカル分析には、『オシレーター系』と『トレンド系』という二つのやり方があります。オシレーター系は、株が『買われ過ぎ』か『売られ過ぎ』かを調べて、値動きが反転する時点を予想して、反対の売買をするための目安として使います。例えば、『相対力指数(RSI)』、『心理線』、『ストキャスティクス』などがあり、これらの指標は、上下に揺れるグラフで表されるのが一般的です。一方、トレンド系は、今の相場がどちらの方向に向かっているかを測って、その方向に沿って売買するために使われます。例えば、『移動平均線』や『方向性指数(DMI)』などがあります。

テクニカル指標の種類

テクニカル指標の種類

値動きを読むための道具、それがテクニカル指標です。過去の市場の情報を分析し、これからの値動きを予想するために使われます。大きく分けて二つの種類があり、一つはオシレーター系、もう一つはトレンド系です。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることで、より良い投資判断ができます。

オシレーター系は、買われすぎや売られすぎを判断するのに役立ちます。値動きが激しく上下する相場でも、売買のタイミングをつかむヒントになります。例えば、相場全体が上がり続けているように見えても、オシレーター系指標が売られすぎを示唆していれば、そろそろ上昇の勢いが弱まり、下落に転じる可能性があることを示しています。逆に、大きく値下がりしている局面でも、オシレーター系指標が買われすぎを示唆していれば、底値に近いと判断できる材料となります。

トレンド系は、現在の値動きの流れを掴むのに役立ちます。上昇トレンドが続いているのか、それとも下降トレンドに転換しつつあるのか、トレンドの方向性と強さを判断するのに役立ちます。トレンド系指標が上昇トレンドを示唆していれば、買いポジションを維持、もしくは新規で買いを入れる判断材料となります。反対に下降トレンドを示唆していれば、売りポジションを維持、もしくは新規で売りを入れる判断材料となります。

未来を完全に予測することは不可能ですが、これらの指標を使うことで、過去の市場の動きから多くの情報を得ることができ、より確度の高い投資判断を行うための助けとなります。

これらの指標は、単独で使うよりも、複数組み合わせて使うことで、多角的な視点から分析できます。例えば、トレンド系指標で上昇トレンドを確認し、オシレーター系指標で売られすぎの状態を確認できれば、絶好の買い場と判断できる可能性があります。さまざまな指標を学ぶことで、市場の変化に柔軟に対応できる投資戦略を立てることができます。

テクニカル指標の種類

逆張り指標:オシレーター系

逆張り指標:オシレーター系

値動きの波をとらえる道具として、オシレーター系の指標があります。これは、市場での売買の勢いを測り、「買われ過ぎ」、「売られ過ぎ」を判断するためのものです。

株価が上がり続け、「買われ過ぎ」の状態だと判断された場合、近い将来、株価が下がると予想されます。そのため、売りの合図と捉えます。反対に、株価が下がり続け、「売られ過ぎ」の状態だと判断された場合、近い将来、株価が上がると予想されます。そのため、買いの合図と捉えます。

よく使われる指標として、RSI、ストキャスティクス、サイコロジカルラインなどがあります。これらの指標は、上下に揺れる線グラフで表され、一定の範囲内で動きます。グラフが範囲の上限に近づくと「買われ過ぎ」、下限に近づくと「売られ過ぎ」と判断します。

例えば、RSIは0から100までの数値で売買の勢いを表します。一般的に、70を超えると「買われ過ぎ」、30を下回ると「売られ過ぎ」と判断されます。ストキャスティクスも同様に、0から100の数値で推移し、80以上で「買われ過ぎ」、20以下で「売られ過ぎ」と判断する目安となります。サイコロジカルラインは、過去一定期間の値上がり日数の割合を示し、25%以下は「売られ過ぎ」、75%以上は「買われ過ぎ」とされます。

ただし、これらの指標だけで売買の判断をするのは危険です。常に正しい合図を出すとは限りません。市場の状況によっては、指標が示す方向とは逆に株価が動くこともあります。そのため、他の指標や会社の業績などを総合的に見て判断することが大切です。オシレーター系指標は、売買のタイミングを計るための補助的な道具として使うべきです。

指標名 数値範囲 買われ過ぎ 売られ過ぎ
RSI 0 – 100 70以上 30以下
ストキャスティクス 0 – 100 80以上 20以下
サイコロジカルライン 0 – 100 (%) 75%以上 25%以下

順張り指標:トレンド系

順張り指標:トレンド系

値動きの方向性を示す指標、いわゆるトレンド系指標は、今まさに市場がどちらに向かっているのか、すなわち上昇か下落か、それとも横ばいなのかを測るための道具です。価格が上がり続けている状態、つまり上昇トレンドの中では、この流れがもう少し続くと考えて、買い注文を維持したり新たに買い増したりする「順張り」と呼ばれる戦略が有効です。反対に、価格が下がり続けている下落トレンドでは、売り注文を維持または追加します。

代表的なトレンド系指標として、移動平均線やDMIなどがあります。これらの指標は、過去の一定期間の価格の平均値を計算することで、現在の値動きの全体的な流れを掴むことができます。例えば、移動平均線が右肩上がりの線を描いていれば上昇トレンド、右肩下がりの線を描いていれば下落トレンドと判断できます。移動平均線は、価格の短期的な変動を滑らかにすることで、大きな流れを捉えやすくする効果があります。DMIは、上昇の強さ、下落の強さ、そしてトレンドの有無を測る指標です。

トレンド系指標は、相場がはっきりとした方向性を持っている時に特に威力を発揮します。しかし、相場が上がりも下がりもしない横ばいの状態、いわゆるレンジ相場では、トレンド系指標は明確な方向性を示すことができません。そのため、今がまさに上昇トレンドなのか、下落トレンドなのか、それとも横ばいなのかを、他の指標と組み合わせて総合的に判断する必要があります。例えば、値動きの勢いを測るオシレーター系指標などを併用することで、より精度の高い売買判断を行うことができます。相場の状況に応じて適切な指標を使い分け、あるいは複数の指標を組み合わせて使うことで、より効果的に市場の動きを捉えることができるのです。

指標の種類 指標名 概要 有効な相場 補足
トレンド系指標 移動平均線 過去の一定期間の価格の平均値を計算し、現在の値動きの全体的な流れを掴む。右肩上がりは上昇トレンド、右肩下がりは下落トレンド。 上昇トレンド、下落トレンド 価格の短期的な変動を滑らかにし、大きな流れを捉えやすくする。
トレンド系指標 DMI 上昇の強さ、下落の強さ、トレンドの有無を測る。 上昇トレンド、下落トレンド
その他 オシレーター系指標 値動きの勢いを測る。 レンジ相場 トレンド系指標と併用することで、より精度の高い売買判断が可能。

指標の組み合わせ

指標の組み合わせ

投資において、値動きを読むための様々な計算方法が存在します。これらをうまく組み合わせることで、より確かな売買の判断材料とすることができます。大きく分けて、現在の勢いを測るものと、大きな値動きの流れを見るものがあります。それぞれ単体でも役立ちますが、組み合わせて使うことで、それぞれの弱点を補い、より確度の高い分析が可能になります。

例えば、大きな値動きの流れを見る指標で、上昇の傾向が確認できたとします。同時に、現在の勢いを測る指標で、売られ過ぎを示す状態だとします。この時、買い時である可能性が高いと判断できます。なぜなら、上昇傾向の中で一時的に売りが先行し、値頃感が出ている状態だと考えられるからです。反対に、下降傾向の中で買われ過ぎを示す状態であれば、売り時の可能性が高いと判断できます。一時的に買いの勢いが強まったことで割高になっていると判断できるからです。

このように、二つの指標を組み合わせることで、より確度の高い売買の判断材料を得ることができます。上昇の勢いが強い中で買われ過ぎのサインが出れば、さらに上昇する可能性が高いと判断できますし、下降の勢いが強い中で売られ過ぎのサインが出れば、反発に警戒する必要があると判断できます。

ただし、多くの指標を闇雲に組み合わせれば良いという訳ではありません。指標の種類が多すぎると、それぞれの指標が示す売買のサインが矛盾し、混乱を招く可能性があります。自分に合った指標を選び、適切な組み合わせを見つけることが重要です。そして、市場の状況や投資対象に合わせて、柔軟に指標を使い分けることが、投資を成功させる鍵となります。

指標の組み合わせ 解釈 売買判断
上昇傾向 + 売られ過ぎ 上昇トレンドの中で一時的な下落、値頃感 買い
下降傾向 + 買われ過ぎ 下降トレンドの中で一時的な上昇、割高感 売り
上昇の勢いが強い + 買われ過ぎ 上昇トレンド継続の可能性 買い継続 or 利益確定検討
下降の勢いが強い + 売られ過ぎ 下降トレンド継続の可能性、反発の可能性も考慮 売り継続 or 反発警戒

実践と学習の重要性

実践と学習の重要性

投資で成功を収めるには、机上の学習だけでなく、実践と継続的な学びが欠かせません。例えば、移動平均線やRSIといったテクニカル指標を教科書で学ぶだけでは、実際の値動きに対応することは難しいでしょう。まるでスポーツのルールブックを読んだだけで試合に勝てると思うようなものです。

そこで重要になるのが、デモ取引などを活用した実践練習です。仮想資金を使って実際の相場で指標を試し、売買のタイミングをつかむ訓練を積み重ねることで、知識を経験に変えていくことができます。これは、楽器の演奏や料理と同じで、実際に手を動かし、試行錯誤を繰り返すことで、より深く理解し、技術を磨くことができるのです。

さらに、市場は常に変化するため、一度学んだ知識で満足していては時代に取り残されてしまいます。経済の動きや企業の業績、世界情勢など、様々な要因が市場に影響を与えるため、常にアンテナを高くして新しい情報を吸収し、分析手法を改善していく必要があります。新聞や経済専門誌などで情報を集め、市場の大きな流れや経済状況を把握することで、指標の解釈に役立てることができるでしょう。過去の相場データも貴重な教材となります。過去の値動きを振り返り、指標がどのように機能していたのかを検証することで、成功や失敗の要因を分析し、将来の投資判断に活かすことができるのです。まるで歴史書を読み解き、過去の出来事から現代社会への教訓を得るようなものです。

テクニカル分析は、継続的な学習と実践を通じて、その精度を高めていくことができる強力な道具です。努力を惜しまず、常に学び続ける姿勢が、投資で成功するための道を切り開く鍵となるでしょう。

実践と学習の重要性