外貨預金のリスク指標:テッド・スプレッド
お金を別の国の通貨で預ける「外貨預金」は、日本の銀行に預けるよりも高い利息が期待できるため、魅力的な資産運用の方法です。しかし、為替の変動によって利益が出たり損失が出たりするだけでなく、市場全体が不安定になると様々なリスクが生まれることを忘れてはいけません。外貨預金を成功させるには、これらのリスクをきちんと理解し、うまく対処していく必要があります。
この記事では、市場の不安定さを知るための重要な指標である「テッド・スプレッド」について詳しく説明します。テッド・スプレッドは、一般的に「安全資産」とされるアメリカの国債と、銀行同士が短期でお金を貸し借りする際の金利の差を表す指標です。通常、銀行同士の金利は国債よりも高いですが、市場が不安定になると、銀行は貸し倒れリスクを警戒してお互いにお金を貸し渋るようになります。すると、銀行同士の金利がさらに高くなり、テッド・スプレッドが拡大します。つまり、テッド・スプレッドが大きいほど、市場は不安定でリスクが高い状態と言えるでしょう。
たとえば、世界的な金融危機や経済の急激な落ち込みなどが起こると、テッド・スプレッドは急上昇します。逆に、市場が落ち着いていれば、テッド・スプレッドは縮小します。ですから、外貨預金を行う際には、テッド・スプレッドの動きをチェックすることで、市場のリスクをある程度予測することができます。テッド・スプレッドが拡大しているときは、市場が不安定な兆候を示しているので、投資を控える、あるいはリスクの低い通貨を選ぶなど、慎重な対応が必要です。逆に、テッド・スプレッドが縮小しているときは、市場が比較的安定しているので、積極的に投資を行うチャンスかもしれません。このように、テッド・スプレッドを理解し、市場の動向を常に把握することで、外貨預金のリスク管理をより効果的に行うことができるのです。