RTGS:即時決済の仕組み
お金の世界では、毎日とても大きな金額が銀行間でやり取りされています。このお金の移動を滞りなく確実に行うことはとても重要です。そのため、様々なしくみが作られていますが、その中でも特に大切な役割を果たしているのが即時グロス決済です。これは、金融機関の間で行われる高額な支払いを、リアルタイムで、一件ずつ決済するしくみです。
例えば、ある銀行から別の銀行へ多額のお金を振り込む場合、このしくみを使うと、送金指示が出された瞬間にほぼ同時に支払いが完了します。従来のように、まとめて処理されるのを待つ必要はありません。
この即時グロス決済のしくみには、いくつもの利点があります。まず、決済の遅れがなくなります。送金がすぐに完了するので、資金を受け取る側はすぐにそのお金を使うことができます。また、支払いが確実に行われるため、送金側も安心です。さらに、まとめて処理する必要がないので、事務手続きの手間も省けます。
この即時グロス決済は、金融システム全体の安定にも大きく貢献しています。支払いが滞りなく行われることで、金融機関同士の信頼関係が強まり、金融市場の混乱を防ぐ効果も期待できます。
日本では、日本銀行が運営する日銀ネットが、この即時グロス決済の役割を担っています。日銀ネットは、国内の主要な金融機関を結んでおり、円建ての高額決済を即時に行っています。これにより、日本の金融システムは高い安定性を保っています。
このように、即時グロス決済は現代の金融システムにおいてなくてはならない存在です。今後もその重要性はますます高まっていくでしょう。