OEEC:戦後復興を支えた礎
第二次世界大戦後のヨーロッパは、想像を絶するほどの荒廃に見舞われていました。戦争によって街は破壊され、道路や鉄道などの交通網も寸断されていました。工場は稼働を停止し、農地も荒れ果て、人々の生活は困窮を極めていました。食料や燃料、医薬品など、生活必需品の不足は深刻で、人々は飢えや病気に苦しんでいました。さらに、戦争によって経済は疲弊し、失業者が街にあふれていました。人々は将来への希望を失い、不安な日々を送っていました。
このような壊滅的な状況を打開するため、アメリカはヨーロッパ復興支援策としてマーシャル・プランを提案しました。この計画は、ヨーロッパ諸国に資金援助や技術支援を行い、経済の再建を促すことを目的としていました。ヨーロッパ諸国はこの提案を歓迎し、復興への道を模索し始めます。
マーシャル・プランの援助を受けるための条件として、ヨーロッパ諸国は協力して経済復興に取り組む必要がありました。そこで、西ヨーロッパ諸国は共同で経済復興に取り組むため、話し合いを重ねました。その結果、1948年4月、欧州経済協力機構(OEEC)が設立されました。OEECには、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリスの16カ国が参加しました。後に西ドイツも加わり、計17カ国となりました。これらの国々は、互いに協力し合い、経済の復興、貿易の促進、通貨の安定など、様々な課題に取り組むことになります。OEECは、ヨーロッパ復興の中核機関として、重要な役割を果たすことになりました。