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経済知識

貿易決済の要、荷為替手形を理解する

荷為替手形とは、国境を越えた商品の売買、つまり貿易取引において、お金のやり取りをスムーズかつ安全に行うために使われる大切な書類です。これは、商品の送り主である輸出者が、受け取る側の輸入者に対して、決められた期日に商品代金を支払うように約束させるためのものです。 この約束は単なる口約束ではなく、銀行を仲介して正式な書類として交わされます。荷為替手形には、いつまでに、いくら支払うのか、誰が支払うのか(輸入者)、誰に支払うのか(輸出者)といった重要な情報が細かく記されています。 荷為替手形を使う一番のメリットは、輸出者にとって商品代金が支払われないリスクを減らせることです。もし輸入者が支払いを拒否した場合でも、銀行が間に入っているため、輸出者はより確実に代金を受け取ることができます。一方、輸入者にとっては、荷為替手形と引き換えに商品を受け取ることができるため、商品の受け取りを確実にすることができます。 国際的な取引では、信用状と呼ばれる銀行が発行する支払保証書と組み合わせて荷為替手形が使われることが一般的です。信用状と荷為替手形を組み合わせることで、取引の安全性をさらに高めることができます。 手形には、約束手形と為替手形の二種類があります。約束手形は、支払いを約束する人が直接支払うのに対し、為替手形は、支払いを約束する人とは別に、支払いを委託された人が支払う形です。荷為替手形はこの為替手形の一種で、商品の所有権を示す船積書類が添付されている点が特徴です。これにより、商品が誰のものか明確になり、所有権の移転が滞りなく行われます。つまり、荷為替手形は、商品の受け渡しと代金の支払いを安全かつ確実に結びつけるための重要な仕組みと言えるでしょう。
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ニクソン・ショック:世界経済の転換点

ニクソン・ショックとは、1971年8月15日に、当時のアメリカ合衆国大統領ニクソン氏が、ドルと金の交換を停止するという発表をした出来事です。これは、第二次世界大戦後の世界の金融の仕組みであるブレトン・ウッズ体制が崩壊へと向かう始まりを意味し、世界経済に大きな影響を与えました。 ニクソン大統領がこの決断をした背景には、アメリカの貿易と財政の大きな赤字がありました。ベトナム戦争への多額の支出や国内の物価上昇などが原因で、アメリカ経済は力を失いつつありました。世界各国はドルの価値が下がることを心配し、金と交換しようと要求していましたが、アメリカの金の保有量は底を尽きかけていたのです。このままではドルへの信頼が揺らぐと考えたニクソン大統領は、一方的にドルと金の交換停止を発表しました。 この突然の発表は、世界各国に大きな驚きを与え、「ドル・ショック」とも呼ばれました。この措置によって、固定相場制から変動相場制への移行が始まり、世界経済は大きな転換期を迎えることとなりました。ドルと金の交換停止は、それまで金と結びついていたドルの価値を不安定なものにし、世界経済の将来に大きな不確実性をもたらしました。多くの国々が、この突然の変化に対応を迫られることになったのです。