デッドクロスで売買判断
株価の動きを理解する上で、移動平均線は欠かせない道具の一つです。これは、一定の期間の株価の平均値を毎日計算し、それを繋いで線にしたものです。過去の値動きを滑らかにすることで、現在の株価の動きが上昇傾向なのか、下降傾向なのか、あるいは横ばいなのかといった大きな流れ、いわゆるトレンドを捉えやすくする効果があります。
移動平均線を使う際に期間の設定は非常に重要です。よく使われる期間として、5日、25日、75日、200日などがありますが、どの期間を使うかで線の形は大きく変わってきます。例えば、5日移動平均線といった短期移動平均線は、株価の動きに敏感に反応します。日々の細かい値動きをほぼそのまま反映するため、短期的な売買のタイミングを計る際に役立ちます。一方、200日移動平均線といった長期移動平均線は、株価の大きな流れを示します。短期的な値動きに左右されにくいので、長期的な投資判断に役立ちます。
これらの移動平均線を単独で使うだけでなく、組み合わせて使うことで、より多角的な分析が可能になります。例えば、短期移動平均線が長期移動平均線を下から上に突き抜けた場合、これは「ゴールデンクロス」と呼ばれ、買いのサインと解釈されることがあります。逆に、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下に突き抜けた場合、これは「デッドクロス」と呼ばれ、売りのサインと解釈されることがあります。ただし、移動平均線はあくまで過去のデータに基づいたものであり、未来の株価を確実に予測できるものではありません。他の指標も参考にしながら、総合的に判断することが大切です。