law of one price

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経済知識

価格の不思議:一物一価の法則

同じ品物であれば、自由に売買できる場所では最終的に価格が一つに落ち着くという考え方が、一物一価の法則です。これは、経済の仕組みを考える上で基本となる考え方の一つです。 例を挙げて説明しましょう。東京で1000円で売られている商品が、大阪では1200円で売られているとします。もし、東京から大阪へ商品を運ぶ費用や、地域ごとの税金などを考えても、まだ価格差がある場合、商売をする人たちは安い東京で商品を仕入れて、高い大阪で売ることで利益を得ようとします。 たくさんの人がこのように行動すると、東京では商品を買う人が増えるので、商品の値段が上がっていきます。一方で、大阪では商品を売る人が増えるため、商品の値段は下がっていきます。この動きは、東京と大阪の価格差が、商品の移動にかかる費用と等しくなるまで続きます。最終的には、東京と大阪で商品の値段がほぼ同じになり、一物一価の状態に落ち着くのです。 しかし、現実の世界では、一物一価の法則が完全に成り立つことは稀です。商品を運ぶ費用や税金以外にも、商品の情報が十分に伝わっていないことや、お金の価値の変動など、様々な理由で価格差が生じます。例えば、産地直送の野菜は、地元では安くても、遠くの都市では輸送コストなどが上乗せされるため高くなります。また、同じ商品でも、商店街の小さなお店と大きなショッピングセンターでは、値段が異なることもよくあります。このように、一物一価の法則は、理想的な状況を想定した理論であり、現実の経済では必ずしも当てはまるとは限らないのです。