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経済知識

投資機会曲線:未来への投資

投資機会曲線とは、会社が新しい設備や事業にお金を使う際の判断材料となる図のことです。この図は、横軸に投資する金額、縦軸にその投資から見込まれる利益の割合(収益率)を示しています。通常、この曲線は右下がりの形をしています。これは、会社がまず最も儲かりそうなものからお金を使うためです。 たとえば、果物狩りで考えてみましょう。最初は低い位置になっている大きな果物を簡単に取ることができます。しかし、低い位置の果物がなくなると、高い位置にある小さな果物しか残らなくなります。高い位置の果物は取るのが難しく、時間も手間もかかるため、同じ労力でも得られる果物の量は少なくなります。 投資も同じです。会社はまず、少ないお金で大きな利益が見込めるものから投資を行います。そのため、投資額が少ないうちは収益率も高くなります。しかし、投資額が増えていくと、残っている投資先は、大きな利益が見込めない、あるいは大きなリスクを伴うものになっていきます。そのため、投資額が増えるほど、収益率は下がっていくのです。これが、投資機会曲線が右下がりになる理由です。 この曲線を見ることで、会社はどの程度の金額を投資するのが適切か、そしてその投資によってどれだけの利益が見込めるのかを判断することができます。つまり、投資機会曲線は、会社がお金の使い方を決める上で重要な役割を果たすと言えるでしょう。さらに、この曲線は経済全体の投資状況を把握するのにも役立ちます。多くの会社が積極的に投資を行っているときは、曲線が上向きにシフトすることがあります。反対に、経済が停滞している時期には、曲線が下向きにシフトする傾向があります。このように、投資機会曲線は、個々の会社の投資判断だけでなく、経済全体の動向を理解するためにも重要な指標となります。