後配株とは?投資の視点から解説
後配株とは、会社の利益分配や財産分配において、普通株よりも後に権利が与えられる株式のことです。簡単に言うと、普通株を持っている株主よりも後回しになる株です。このため、劣後株と呼ばれることもあります。
会社が事業活動によって利益を上げた場合、まず普通株主に配当金が支払われます。普通株主への配当が終わった後、残った利益から後配株主への配当が支払われます。もし、利益が少なくて普通株主への配当で使い切ってしまった場合は、後配株主には配当金が支払われません。
同様に、会社が解散する場合も、まず普通株主に会社の財産が分配されます。普通株主への分配が終わった後、もし財産が残っていれば、後配株主に分配されます。しかし、普通株主への分配で財産がなくなってしまえば、後配株主には何も分配されません。
このように、後配株は普通株に比べて利益や財産を受け取れる可能性が低く、リスクが高いと言えるでしょう。その反面、リスクが高い分、普通株よりも高い配当率が設定されている場合もあります。高い配当率は、投資家にとって魅力的な要素の一つです。
後配株は、新興企業やベンチャー企業など、資金調達を必要とする企業が発行することがあります。これらの企業は、事業の将来性がある一方で、倒産のリスクも高いため、後配株を発行することでリスクを分散し、投資家からの資金調達を容易にしようとする狙いがあります。また、経営陣が自社の株式を後配株として保有することで、会社経営への責任を明確にするという効果も期待できます。
後配株への投資は、高い配当率というメリットがある一方で、リスクも高いことを理解しておく必要があります。投資する際は、会社の業績や財務状況などを慎重に分析することが重要です。