額面転換:株式価値の基礎知識
額面転換とは、会社が発行する転換社債や転換優先株といった有価証券を普通株式に交換する際の価格を決める方法の一つです。この転換する際の価格を転換価格と言いますが、額面転換では株式の額面金額がそのまま転換価格となります。
転換社債とは、あらかじめ定められた条件に従って普通株式へと交換できる権利がついた社債のことです。同様に、転換優先株とは普通株式へ交換できる権利がついた優先株のことです。これらの有価証券は、債券や優先株のように比較的安定した収益を得られるとともに、株式に交換することで値上がりによる利益も期待できるという二つの利点を持っています。
額面転換方式では、株式の額面金額をそのまま転換価格とするため、転換価格の計算が非常に簡単です。例えば、額面金額が500円の株式であれば、転換価格も500円になります。このように、額面転換方式は分かりやすいため投資家にとって判断材料として使いやすいという長所があります。事前に転換価格を簡単に把握できるため、投資家は将来の株価の動きを予想し、普通株式へ交換するタイミングを見計らうことができます。
しかし、額面金額を基準とするため、市場の株価変動を反映しにくいという欠点も存在します。もし株価が大きく上昇した場合、額面金額での転換は投資家にとって不利になる可能性があります。逆に株価が下落した場合には有利となります。そのため、投資家は額面転換方式の特徴を理解した上で、投資判断を行う必要があります。