BPS

記事数:(2)

指標

1株あたり純資産で企業価値を評価

一株あたり純資産(略して一株純資産)とは、会社が持つ純資産を発行済み株式数で割った数値のことです。簡単に言うと、もし会社が解散した場合、株主一人あたりにどれくらいの資産が分配されるかを示す目安です。 では、純資産とは何かというと、会社の全財産から負債(借金など)を差し引いた残りの金額です。これは会社の本当の持ち物であり、会社の財産基盤とも言えます。この純資産を発行済みの株式数で割ることで、一株あたりどれだけの純資産が支えられているか、つまり一株純資産が計算できます。 一株純資産が高いということは、一株あたり多くの資産に支えられていることを意味します。もし会社が解散した場合、株主はより多くの財産を受け取れる可能性が高いため、一般的には有利だと考えられます。しかし、一株純資産はあくまで帳簿上の数値です。会社の資産は、土地や建物など、時価と帳簿上の金額が異なるものも含まれています。そのため、一株純資産が高いからといって、必ずしも会社の本当の価値が高いとは限りません。 また、一株純資産は会社の将来の収益力や成長性を反映していません。将来大きな利益を上げる可能性のある会社は、たとえ一株純資産が低くても、市場では高く評価されることがあります。逆に、一株純資産が高くても、将来性がなければ市場では低く評価されることもあります。 さらに、業種によっても一株純資産は大きく異なります。製造業のように多くの工場や設備を持つ会社は、一般的に一株純資産が高くなる傾向があります。一方、IT企業のように形のない資産(知的財産など)が多い会社は、一株純資産が低くなる傾向があります。そのため、一株純資産を分析する際は、同業他社と比較することが重要です。一株純資産は会社の財務状況を理解する上での一つの指標であり、他の指標と合わせて総合的に判断する必要があることを覚えておきましょう。
指標

1株あたり純資産で企業価値を評価

純資産とは、ある時点での企業の本当の財産を金額で表したものです。言い換えれば、会社の持っている全ての財産から、借金などの負債を全て差し引いた残りの金額です。これは帳簿上の財産ではなく、もし今すぐ事業を全てやめて、全ての財産を換金し、全ての借金を返済した場合に、最終的に手元に残る金額を表しています。純資産は、企業の財務状態の健全性を示す重要な指標です。 純資産は、主に三つの要素から成り立っています。一つ目は、株主が出資したお金である自己資本です。これは事業を始めるための元手となるお金で、会社の基盤となるものです。二つ目は、企業が事業活動で得た利益のうち、株主への配当として支払わずに会社に積み立ててきたお金である利益剰余金です。これは、企業が将来の事業展開や不測の事態に備えて蓄えておくお金です。三つ目は、その他剰余金です。これは、土地や建物の時価評価によって生じた評価差額など、特別な理由で発生した剰余金です。 純資産が増加するということは、企業がしっかりと利益を出し、財務基盤を強化していることを意味します。例えば、事業がうまくいって利益が上がり、利益剰余金が増えれば純資産は増加します。逆に、純資産が減少するということは、損失を出したり、負債が増えたりして、財務基盤が弱体化していることを意味します。例えば、大きな損失を出して利益剰余金を大きく取り崩したり、新たな借入金によって負債が増えたりすると、純資産は減少します。 このように、純資産は企業の財務状況を把握する上で非常に重要な指標です。投資をする際には、貸借対照表(バランスシート)に記載されている純資産の金額や推移に着目し、その企業がどれだけの財産を持ち、どれだけの負債を抱えているのかをしっかりと確認することが大切です。純資産を理解することは、企業の財政状態を見極め、適切な投資判断を行う上で欠かせない要素となります。