外貨預金への過剰な期待
外貨預金とは、円以外の通貨で預金を行う金融商品です。近年、低金利の円預金に比べて高い金利が期待できることや、円安になった場合に為替差益が得られる可能性があることから、注目を集めています。
長らく続く超低金利の日本では、少しでも高い利回りを求める動きが強まっており、投資家の視線は自然と海外に向けられるようになりました。外貨預金は、株式や債券といった投資に比べて、比較的簡単に始められるため、海外投資への第一歩として選ばれることも少なくありません。銀行の窓口やインターネットバンキングを通じて手軽に始めることができ、初心者にも扱いやすい商品といえます。
また、近年の国際化の進展も外貨預金の需要を押し上げています。海外旅行に行く機会が増えたり、海外の家族や友人に送金する機会が増えたりする中で、外貨をそのまま保有しておける外貨預金の利便性が評価されています。さらに、海外のインターネット通販サイトで買い物をしたり、海外のサービスを利用したりする際にも、外貨で決済できるため便利です。
このように、高い金利、円安時の為替差益への期待、利便性の向上といった複数の要因が重なり、外貨預金は投資経験の有無に関わらず、幅広い層の人々に利用されています。ただし、為替レートの変動によって元本割れのリスクがあることには十分注意する必要があります。金利が高い通貨は、その分だけ為替変動のリスクも高くなる傾向があります。外貨預金を行う際には、将来の為替変動まで見据えて、慎重に判断することが大切です。