お金を保有する理由:資産保有動機
お金を保有するということは、簡単に言うと、使える状態の財産を持っているということです。具体的には、財布の中の現金や銀行の預金口座に入っているお金などがこれに当たります。家や車、会社の株券といった他の種類の財産とは違って、お金は必要な時にすぐに使うことができます。
例えば、急に欲しくなった洋服を買ったり、思いがけず病院に行くことになった時など、お金があればすぐに支払いを済ませることができます。これは、お金を保有することの大きなメリットと言えるでしょう。すぐに使えるお金は、日々の生活を安心して送る上でとても大切です。
しかし、お金を保有することにはメリットばかりではありません。お金には、物価が上がると価値が下がってしまうというリスクがあるのです。これを物価上昇リスクと言います。例えば、今100円で買えるパンが、物価が上がると120円になるかもしれません。この時、持っているお金の量は変わっていなくても、買えるパンの量は減ってしまいます。つまり、お金の価値が実質的に目減りしてしまうのです。
さらに、銀行にお金を預けていても、金利が物価上昇率より低い場合は、実質的な価値は減少します。例えば、預金の金利が1%で物価上昇率が2%だとすると、利息をもらっても物価上昇分を差し引くと、お金の価値は1%分目減りしてしまうことになります。
ですから、お金を保有する際には、すぐに使えるという便利さと、物価上昇によって価値が減少するかもしれないというリスクの両方をしっかりと考えて、バランスを取ることが重要です。どれくらいのお金を保有するのが適切かは、個々の状況や将来の計画によって異なります。将来大きな買い物をする予定があるのか、収入は安定しているのかなど、様々な要素を考慮する必要があるでしょう。