外貨預金と資本収支の基礎知識
資本収支とは、国境を越えたお金の流れを記録したものです。分かりやすく言うと、海外との間で行われるお金のやり取りをまとめたものです。この記録は、一国の経済状況を把握する上で非常に重要です。
具体的には、海外から国内への投資や国内から海外への投資といったお金の動きが資本収支として記録されます。例えば、日本の会社が海外に工場を建てるためにお金を送ったり、海外の投資家が日本の会社の株を買ったりといった取引が該当します。反対に、海外の会社が日本に工場を建てるためにお金を送ってきたり、日本の投資家が海外の会社の株を買ったりするのも資本収支に含まれます。
資本収支は、経常収支と共に国際収支という大きな枠組みの一部です。経常収支は、モノやサービスの輸出入といった貿易によるお金の流れを表すのに対し、資本収支は資産や負債の増減、つまり投資などによるお金の流れを表します。例えば、海外旅行で買い物をした場合は経常収支、海外の土地を買った場合は資本収支に計上されます。
資本収支は、国際的なお金の流れを示す指標となるため、一国の経済状態を分析する上で欠かせません。海外からの投資が多いということは、その国が投資先として魅力的だと判断されていることを示します。反対に、海外への投資が多い場合は、国内の投資機会が不足している可能性を示唆します。このように、資本収支を理解することで、世界経済の動きや各国の経済政策の影響をより深く理解することが可能となります。つまり、資本収支を見ることで、世界のお金の流れと一国の経済状況を把握できるのです。