貸株料:信用取引の仕組みを理解する
貸株料とは、お金を借りるように株を借りる際に発生する費用のことです。身近な例で例えると、図書館で本を借りる際に期限までに返却することを条件として貸し出しを受けることができますが、株の取引においても同様に、株を借りて売買を行うことができます。これを信用取引といいます。信用取引には株価が上がると思えば株を買って利益を狙う買い建てと、株価が下がると予測して株を借りて売って利益を狙う空売りがあります。貸株料は、この空売りの際に必要となる費用です。
具体的には、投資家が株価の下落を見込んで空売りを行う場合、証券会社を通じて株を借りることになります。この株は、証券会社が証券金融会社から借り入れており、証券金融会社は株の保有者から株を借りています。そして、株を貸し出した保有者は、その対価として貸株料を受け取ることができます。図書館の本と異なり、株は保有しているだけで配当金などの利益を得られる可能性があるため、貸し出すことで得られる利益、すなわち貸株料も発生するのです。この貸株料は、証券金融会社から証券会社へ、そして最終的には空売りを行った投資家が負担することになります。
貸株料の金額は、株の人気の度合いによって変動します。人気のある株や市場に出回っている数が少ない株は、借り手が多い一方で貸し手が少ないため、貸株料が高くなる傾向があります。逆に、あまり人気のない株や市場に多く出回っている株は、貸株料が低くなる、もしくは全く発生しない場合もあります。これは、需要と供給のバランスによって価格が決定される市場原理と同じです。貸株料は、空売りを行う際の取引コストの一つであるため、投資家は貸株料の金額にも注意を払う必要があります。