交換方程式:お金の流れを理解する
お金の流れを簡潔に示す式、それが交換方程式です。経済全体のお金の流れをレントゲン写真のように写し取ったものと言えるでしょう。この式は、お金の量とものの値段、そして経済活動の三者の関係性を明らかにする重要な役割を担っています。
具体的には、四つの要素がお互いにどう関係しているのかを示しています。まず、世の中に出回っているお金の量。次に、すべての商品の平均価格を示す物価水準。そして、売買されたモノやサービスの量を示す取引量。最後に、お金の流通速度、つまり一定期間にお金が何回使われたかという概念です。
例えるなら、遊園地でお客さんが持っているお金の総額がお金の量、乗り物券の値段が物価水準、売れた乗り物券の枚数が取引量、そしてお客さんが乗り物券を買って使う速さがお金の流通速度と言えるでしょう。これらの要素は、MV = PTという式で表されます。Mがお金の量、Vがお金の流通速度、Pが物価水準、Tが取引量です。
この式が示すのは、左辺のお金の量と流通速度を掛け合わせたものは、右辺の物価水準と取引量を掛け合わせたものと常に等しいということです。つまり、お金の量が増えれば、物価や取引量が増える、あるいは流通速度が遅くなるといった変化が起こるのです。逆に、お金の量が減れば、物価や取引量が減る、あるいは流通速度が速くなるといった変化が起こります。
交換方程式は、経済の動きを理解するための基本的なツールです。この式を理解することで、世の中のお金の流れを捉え、経済の仕組みをより深く理解することができます。