負の相関でリスクを抑える
負の相関とは、二つのものの間にある、一方が増えるともう一方が減るという関係のことです。
身近な例で考えてみましょう。商品の値段と、その商品の売れ行きを考えてみてください。たいていの場合、商品の値段が上がると、それを買いたいと思う人は減ります。反対に、値段が下がると、買いたいと思う人が増えます。これは、商品の値段とその売れ行きに負の相関があることを示しています。
もう少し詳しく説明すると、アイスクリームの値段が急に高くなったとします。すると、今までと同じようにアイスクリームを買っていた人も、値段が高いので買うのをためらうようになります。その結果、アイスクリームの売れ行きは下がります。反対に、アイスクリームの値段が下がったとします。すると、今までアイスクリームを買っていなかった人も、値段が安いので試しに買ってみようと思うかもしれません。また、すでにアイスクリームを買っていた人も、値段が安いのでいつもよりたくさん買うかもしれません。その結果、アイスクリームの売れ行きは上がります。このように、アイスクリームの値段とその売れ行きは、一方が上がるともう一方が下がる、つまり負の相関の関係にあるのです。
この関係は、経済の仕組みを理解する上でとても大切です。そして、投資の世界でも、この負の相関関係は危険を減らすために重要な役割を担っています。例えば、ある種類の投資で損をする可能性が高くなった時に、それと負の相関のある別の種類の投資で利益が出る可能性が高くなる場合、二つの投資を組み合わせることで、全体の損失を少なく抑えることができるのです。