資産の偏り:ホームバイアスとは?
投資の世界では、損失を小さく抑え、利益を大きくするために、様々な国や種類の財産にお金を分けて持つことが大切だと考えられています。卵を一つの籠に盛るな、ということわざがあるように、一つのものに集中して投資すると、そのものが値下がりした際に大きな損失を被る可能性があります。逆に、様々なものに分けて投資しておけば、一つが値下がりしても、他のものが値上がりすることで、全体の損失を抑えることができます。
世界には様々な投資先があり、国内の株式や債券だけでなく、海外の株式や債券、不動産、金など、多種多様なものがあります。このような様々な投資先に資金を分散させることで、リスクを抑え、安定した利益を得られる可能性を高めることができます。
しかし、多くの投資家、特に個人の投資家は、自分が住む国の財産に偏った投資をしてしまう傾向があります。これを自国バイアスといいます。これは、心理的な要因が大きく影響しています。人は自分がよく知っているもの、慣れ親しんでいるものに安心感を抱き、投資においても同様のことが言えます。自分の国の経済や企業の状況をよく知っているため、海外の投資先よりも国内の投資先の方が安心できると感じてしまうのです。
また、情報収集のしやすさも自国バイアスに影響しています。国内のニュースや情報は簡単に入手できますが、海外の情報は入手が難しかったり、言葉の壁があったりするため、どうしても国内の情報に偏ってしまいます。
しかし、自国バイアスは必ずしも良いことではありません。自国の経済が低迷した場合、国内の資産に集中して投資していると、大きな損失を被る可能性があります。世界経済の成長を取り込み、より安定した運用を目指すためには、自国バイアスにとらわれず、世界中の様々な投資先を検討することが重要です。