予定脱退率:企業年金の基礎知識
従業員が定年を迎える前に、会社を辞めるなどして企業年金制度から抜ける割合のことを脱退率といいます。この割合は、年齢別に計算され、それぞれの年齢でどのくらいの人が制度から抜けるかを示すものです。例えば、30歳の従業員の脱退率が3%だとすると、30歳の加入者のうち、1年以内に3%の人が企業年金から抜けるだろうと予測されるという意味です。
この脱退率は、企業年金の資金計画を立てる上でとても大切な数字です。なぜなら、抜ける人が多くなれば、年金として積み立てているお金が減ってしまうかもしれないからです。積み立てたお金は運用して将来の年金支払いに備えるため、途中で抜ける人が多いと運用できるお金が減り、将来もらえる年金額に影響する可能性があります。
また、脱退率は、将来の年金額の予測にも大きく関わってきます。抜ける人が多ければ、長い間年金を受け取る人が少なくなるため、一人ひとりがもらえる年金額が少なくなるかもしれません。反対に、抜ける人が少なければ、長い間年金を受け取る人が多くなり、もらえる年金額が増えることも考えられます。
このように、脱退率は、将来の年金に大きな影響を与えるため、企業が年金制度を運営していく上でとても重要な役割を持っています。そのため、従業員も企業もこの脱退率についてきちんと理解しておくことが大切です。