統計学

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分析

投資における対数正規分布の役割

お金を殖やすための活動では、将来の財産の値段や利益の割合を予想することがとても大切です。しかし、これらの数字は常に変わりやすく、予想するのは簡単ではありません。そこで、値段の上がり下がりを数理的に表すために、様々な計算方法が使われています。その中でも、「対数正規分布」と呼ばれる方法は、財産の値段の動きを捉えるための有力な道具として広く使われています。 この「対数正規分布」は、ゼロより大きい値だけを取り、右側に裾野が長く伸びた左右非対称の形をしているため、実際の市場のデータによく合うことが知られています。言い換えると、財産の値段はゼロ以下になることはなく、大きな値になる可能性も低いながらも存在することをうまく表現できるのです。 この手法を使うことで、将来の財産の値段がどの範囲に収まるのかを確率的に見積もることができます。例えば、ある株の値段が一年後にどれくらいになるかを予想する場合、対数正規分布を用いることで、現在の値段からどれくらい上がりそうか、あるいは下がりそうかを、ある程度の確からしさを持って示すことができます。 また、この分布は、投資における危険度合いを測るのにも役立ちます。値段の変動の幅が大きいほど、投資の危険度合いは高くなります。対数正規分布を使うことで、この変動の幅を数値化し、投資の危険度合いを客観的に評価することができるのです。 しかし、対数正規分布はあくまでも数理的なモデルであり、現実の市場を完全に再現できるわけではありません。市場には、予想外の出来事や経済の変化など、モデルでは捉えきれない要因が数多く存在します。したがって、対数正規分布による予想を過信せず、他の情報も参考にしながら、慎重に投資判断を行うことが重要です。
分析

ベイズ修正で投資判断を磨く

ものの見通しをより正しくするための方法、それがベイズ修正です。たとえば、過去の天気の記録だけから未来の天気を予想するとします。こういう予想は、未来も過去と同じ状況が続くものと決めてかかっているため、どうしても実際とは違ってしまうことがあります。たとえば、近ごろ地球全体が暖かくなっていることを考えずに、過去の平均気温から未来の気温を予想すると、実際の気温よりも低く予想してしまうでしょう。 ベイズ修正は、このような予想のズレを直すために、新しい知識を取り入れることができるすぐれた方法です。具体的には、過去の情報に基づいた予想(これを事前確率といいます)に、最新の観測データや専門家の見解といった、人の考えが入った情報(追加情報)を加えることで、より現実に近い予想(これを事後確率といいます)へと更新していきます。 たとえば、お菓子の箱の中に赤いアメと青いアメが入っているとします。箱の中身を見ずに、赤いアメの割合を予想するとします。過去の経験から、赤いアメと青いアメはだいたい同じ割合で入っていると知っているならば、赤いアメの割合は5割と予想するでしょう(事前確率)。次に、箱の中からいくつかアメを取り出してみます。もし赤いアメが3個、青いアメが1個だった場合、この新しい情報(追加情報)を使って最初の予想を修正します。すると、赤いアメの割合は5割よりも高いと予想できます(事後確率)。さらにアメを取り出し続ければ、赤いアメの本当の割合に、予想はどんどん近づいていきます。 このように、ベイズ修正を使うと、何が起こるか分からない状況でも、より確かな予想を立てることができます。未来の天気を予想したり、商品の売れ行きを予想したり、病気の診断をしたりと、ベイズ修正は様々な場面で使われています。未来をうまく予想するために、ベイズ修正はなくてはならない道具なのです。