経営指標

記事数:(4)

指標

基礎利益:保険会社の真の実力を測る

生命保険会社のお金儲けの力を示す大事な指標、それが基礎利益です。生命保険会社は、お客さまから集めた保険料を運用して利益を出しています。そのため、お金を運用して得られる利益は、市場の動きに大きく左右されます。日々の株価や金利の上がり下がりで、利益が大きく変わることもあるのです。基礎利益は、こうした市場の短期的な変化による影響を取り除いた、生命保険会社本来の儲けを表す指標です。 生命保険会社は、お客さまから保険料をいただきます。そこから、営業にかかる費用やお客さまへ支払う保険金、会社の運営に必要な費用などを差し引きます。そうして残ったお金が、本業での儲けです。これが基礎利益です。基礎利益には、株や債券などの値動きで得られた一時的な利益は含まれていません。ですから、基礎利益を見ることで、生命保険会社が保険事業そのもので、どれだけの力でお金を稼いでいるのかがはっきりと分かります。 たとえば、ある生命保険会社が、市場の好況のおかげで大きな利益を出したとします。しかし、その利益の大部分が、一時的な株価の上昇によるものだったとしましょう。このような場合、見かけ上の利益は大きくても、基礎利益はそれほど大きくないかもしれません。もし、市場が急に変動して株価が下がれば、利益はすぐに減ってしまうでしょう。つまり、基礎利益を見ることで、一時的な好景気に左右されない、生命保険会社の真の実力を知ることができるのです。 生命保険会社を選ぶときには、目先の大きな利益だけでなく、基礎利益にも注目することが大切です。基礎利益が安定して伸びている会社は、長期的に安定した経営を続けていく可能性が高いと言えるでしょう。これは、加入者にとって、将来にわたって安心して保険に加入し続けられるかどうかの重要な判断材料となります。つまり、基礎利益は、生命保険会社の長期的な安定性や成長性を評価する上で、欠かせない情報なのです。
指標

会社の価値を測る「キャッシュフロー」とは

会社のお金の状態をきちんと知るためには、損益計算書だけでなく、お金の流れを示すキャッシュ・フロー計算書を見ることも大切です。損益計算書はある期間の収入と支出を計算し、最終的なもうけを示すものですが、これは帳簿上の数字でしかありません。一方、キャッシュ・フロー計算書は実際にお金がどのように動いているのか、つまり現金の入りと出を示すものです。 例えば、商品を売ってもお金がまだ回収できていない場合、損益計算書の上では売上として記録されますが、キャッシュ・フロー計算書には現金の入りとして記録されません。このように、キャッシュ・フロー計算書は会社のお金のやりくりの実態を知る上で、なくてはならない情報源です。 会社が短期的に支払いをきちんと行えるか、長期的に成長できるかを評価するには、キャッシュ・フロー計算書がとても重要な役割を果たします。単にもうけが出ているかだけでなく、実際のお金の流れを理解することで、会社の本当の財務状態を把握できるのです。 加えて、キャッシュ・フロー計算書は、会社の経営活動、投資活動、財務活動のそれぞれについて、お金の流れを把握することができます。経営活動によるキャッシュ・フローは、会社の本来の事業活動から生じるお金の流れを示し、会社の収益力を見る上で重要です。投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資など将来に向けた投資活動によるお金の流れを示し、会社の将来への取り組み姿勢を示します。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入や返済、増資などによるお金の流れを示し、会社の資金調達状況を把握するのに役立ちます。これらの情報から総合的に判断することで、より正確に会社の財務状態を評価することが可能になります。キャッシュ・フロー計算書をしっかり読み解くことで、会社の財務健全性をより深く理解し、投資判断などに役立てることができるでしょう。
経済知識

お金の流れを知ろう:キャッシュ・フロー入門

お金の流れ、言い換えれば現金の出入りは、一定の期間におけるお金の動きを表すものです。これは家計、企業、そして大きな組織でも同様に重要な考え方です。 まず、家計で考えてみましょう。毎月のお給料や年に数回のボーナスがお金が入ってくる収入にあたります。一方で、日々の食費や電気、ガス、水道といった光熱費、そして住宅ローンや家賃といったものは出ていくお金、つまり支出です。家計をうまくやりくりするには、これらの収入と支出をきちんと把握することが大切です。収入より支出が多ければ赤字になり、貯蓄を取り崩したり、借金をしなければならなくなります。逆に、収入が支出を上回れば黒字となり、貯蓄に回したり、投資に回すことができます。 企業も同じようにお金の流れを把握する必要があります。商品やサービスを売って得られる売上や、投資によって得られる利益が収入です。そして、商品を作るための材料費や従業員に支払う人件費、新しい機械や設備を買うための設備投資などは支出にあたります。企業は、これらの収入と支出の差、つまり利益を上げることで事業を継続し、成長することができます。利益が出ていないと、事業を続けることが難しくなります。 また、企業年金といった制度においてもお金の流れは重要です。加入者から集められる掛金が収入となり、年金を受け取る人への年金給付が支出となります。年金制度を安定して運営していくためには、収入と支出のバランスを保つことが不可欠です。もし、支出が収入を上回ると、年金の給付額を減らしたり、掛金を増やす必要が出てくるかもしれません。 このように、お金の流れを理解することは、家計のやりくりから企業の経営、そして社会保障制度の運営まで、様々な場面で欠かせません。お金の流れを把握し、収入と支出のバランスを保つことで、健全な状態を維持し、将来に向けて計画的に行動することができます。
経営

退職率予測:企業運営の鍵

会社を辞める人の割合をあらかじめ予想した数値を、予定退職率といいます。これは、一年間にどれくらいの割合で社員が会社を辞めていくのかを示すものです。この割合は、年齢別に計算されます。つまり、それぞれの年齢層で、どれだけの社員が会社を辞める可能性があるのかを示しています。例えば、50歳の社員の予定退職率が5%だとしましょう。これは、50歳の社員100人いれば、そのうち5人が一年以内に会社を辞めるだろうと予想されるという意味です。この予定退職率は、会社にとって、これからの人員計画や社員の育成計画、事業計画などを考える上で、とても大切な指標となります。なぜなら、社員が会社を辞めることは、会社にとって大きな損失となる可能性があるからです。社員が辞めることで、会社は仕事に役立つ知識や特別な技能、豊富な経験を失ってしまいます。さらに、辞めた社員の代わりに新しい人を採用し、育てていくには、お金と時間がかかります。ですから、予定退職率を正しく予想し、それに合わせた対策を前もって考えておくことは、会社が安定して経営していくために必要不可欠です。また、予定退職率は、同じ業界でも会社によって異なり、会社の規模や仕事の種類によっても大きく変わるため、自分の会社に合った数値をきちんと把握することが大切です。例えば、会社の待遇が良い、あるいは、仕事にやりがいを感じている社員が多い会社では、退職率は低くなるでしょう。逆に、会社の待遇が悪かったり、仕事に不満を持つ社員が多い会社では、退職率は高くなる傾向があります。このように、様々な要因を考慮して、自社の状況に合った退職率を予測する必要があります。さらに、退職率の予測だけでなく、退職の理由を分析することも重要です。退職理由を分析することで、社員が会社を辞める原因を特定し、改善策を講じることが可能になります。例えば、給与や待遇に不満を持っている社員が多い場合は、給与体系の見直しや福利厚生の充実を検討する必要があるでしょう。また、仕事内容に不満を持っている社員が多い場合は、業務内容の見直しやキャリアアップの機会を提供する必要があるかもしれません。このように、退職率を予測し、退職理由を分析することで、社員の定着率向上に繋げ、会社の安定的な成長を実現することができるのです。