当期純利益:企業の真の実力を見る
当期純利益とは、会社が一定の期間(通常は一年間)にどれだけの儲けを生み出したかを示す重要な指標です。この期間は、会計期間と呼ばれ、多くの会社では一年を区切りとしています。この一年間の事業活動を通じて得られた収益から、それに対応する費用、税金などを全て差し引いた後に残る純粋な利益のことを指します。
当期純利益は、会社の成績表とも言えるでしょう。一年間、会社が商品を売ったり、サービスを提供したりして得た売上高から、まず、その商品やサービスを作るためにかかった費用(原価)や、従業員の人件費、オフィスの賃借料などの費用を引きます。これを営業利益と言います。さらに、営業利益から、借り入れに対する利息や、会社の設備が古くなっていくことによる費用(減価償却費)などを差し引きます。そして最後に、法人税などの税金を支払った後に残った金額が、当期純利益となります。
この利益は、株主にとっての儲けであり、会社の経営活動の成果を端的に表す重要な数字です。当期純利益が多ければ多いほど、会社は効率的に事業活動を行い、多くの儲けを生み出していると考えられます。逆に、当期純利益がマイナスの場合は、会社が赤字であり、経営状態が悪化している可能性を示しています。
投資家は、会社の価値を見極める際に、この当期純利益を重要な要素として考えます。将来、会社がどれだけの利益を生み出してくれるのか、その期待値を基に投資判断を行います。そのため、当期純利益は、会社の経営状態を図るだけでなく、投資家にとっても重要な情報源となるのです。