アメリカの証券規制:FINRAとは
お金を扱う世界の安全を守るためには、しっかりとした規則と見守りが必要です。アメリカでは、この大切な役割を担う組織として「金融業界規制機構」があります。これは、日本語で略すと「金規機」と呼ぶことにしましょう。金規機は、2007年7月に生まれた民間の組織です。正式には英語でFinancial Industry Regulatory Authorityといい、略してFINRAとよく呼ばれています。
金規機の誕生は、それまで証券業界の自主規制組織だった「全米証券業協会」と、ニューヨーク証券取引所(ニューヨークしょうけんとりひきじょ)の自主規制部門が一緒になったことで実現しました。全米証券業協会は英語でNational Association of Securities Dealersといい、略してNASDと呼ばれていました。二つの組織が一つになることで、より強力な規制と見守りが可能になると期待されました。
金規機が設立されたことは、証券市場のお金の流れを誰にでも分かりやすくし、投資家を守る上で大きな転換点となりました。市場で不正が行われれば、投資家はお金を失うだけでなく、市場全体の信頼も揺らいでしまいます。金規機はそうした事態を防ぐために、アメリカのすべての証券会社に加盟を義務付けています。これは、証券会社が金規機の規則に従い、適切な活動をするように監督するためです。
金規機の活動は、アメリカの証券市場の安定に大きく貢献しています。金規機は、市場で不正がないか常に監視し、問題があれば迅速に対応します。また、投資家に対しては、市場に関する情報を分かりやすく提供することで、賢い投資判断ができるように支援しています。このように、金規機は、健全で信頼できる証券市場を維持するために、重要な役割を果たしています。