独占企業:市場を支配する力
独占とは、ある特定の商品やサービスを提供するお店が市場に一つしかない状態のことを言います。このたった一つのお店は、その市場を完全に支配することになります。他に同じ商品やサービスを売るお店がないため、買う側は、そのお店からしか商品やサービスを手に入れることができません。
普段の買い物では、色々なお店が競い合って商品を売っています。この競争のおかげで、値段は上がり過ぎず、商品の質も良くなります。しかし、独占状態では、この競争がなくなってしまいます。競争がないと、お店は好きな値段をつけられますし、商品の質を上げる努力をしなくても売れてしまうのです。
買う側は、不当に高い値段で買わされたり、質の悪い商品やサービスしか選べなかったりすることになります。これは困ったことです。また、商品を提供する側も、競争相手がいないため、新しい商品やサービスを開発しようという気持ちが薄れてしまうかもしれません。
このように、独占は、買う側にも、経済全体にも悪い影響を与える可能性があるのです。例えば、昔は電気を売る会社が地域ごとに一つしかありませんでした。どの会社も競争相手がいなかったため、サービスの質の向上や、電気代の値下げに熱心ではありませんでした。
最近では、電気を売る会社が選べるようになり、様々な会社がサービス内容や価格で競争するようになりました。その結果、買う側は、自分の好みに合った会社を選べるようになり、より良いサービスを受けられるようになったのです。これは、競争が経済にとっていかに大切かを示す良い例と言えるでしょう。