ヘッジファンド:その実態と影響
「言葉の由来」という表題の通り、今回はヘッジファンドという言葉の語源と、その実態との違いについて解説します。
ヘッジファンド。この言葉は、「危険を避ける」という意味を持つ「ヘッジ」という言葉から生まれたものです。そのため、危ない橋は渡らず、安全な方法で資産を運用する投資信託のようなものを想像する人もいるかもしれません。しかし、現実のヘッジファンドは、言葉の印象とは大きく異なっています。
現代のヘッジファンドは、むしろ積極的に危険を冒して利益を狙う運用スタイルが特徴です。株価や債券の価格が下がっている時でも、売買を繰り返すことで利益を得ようとするのが一般的です。たとえば、ある銘柄の価格が下がると予想すれば、その銘柄を借りて売却し、価格が下がった後に買い戻して返却することで利益を得ます。このような手法は「空売り」と呼ばれています。
このように、本来の意味である危険回避とは正反対に、危険を承知で大きな利益を狙うのが現代のヘッジファンドの特徴です。言葉の由来と、実際に行われている運用方法には、大きな隔たりがあるのです。この隔たりを正しく理解することは、ヘッジファンドの本当の姿を理解する上で非常に大切です。言葉の響きだけで判断せず、その実態をしっかりと見極めるようにしましょう。