現物決済

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株式投資

実物決済:信用取引の基礎知識

実物決済とは、信用取引で借りたお金や株券を、借りた時と同じ形で返す方法です。 信用取引では、例えば株を買うお金を借りて株を買い、後でその株を売って得たお金で借りたお金を返す、という方法がよく使われます。これを差金決済と言います。 一方、実物決済では、借りたお金は現金で返し、借りた株は同じ種類の株で返します。 実物決済を選ぶ理由はいくつかあります。 まず、買った株を長く持ち続けたい場合です。差金決済だと、期限までに株を売って決済しなければなりませんが、実物決済なら期限後も株を持ち続けることができます。 次に、特定の株を担保として使いたい場合です。 また、信用取引の期限が来た時に、株を売って利益を得るのではなく、そのまま持ち続けたい場合にも実物決済が役立ちます。 例えば、A社の株を買うお金を借りて信用取引をしたとします。期限までにA社の株価が上がれば、株を売って利益を出し、借りたお金を返すことができます。しかし、株価が下がった場合でも、実物決済を選べばA社の株を持ち続けることができます。 このように実物決済は、投資の作戦の一つとして使える場合もあります。 さらに、株主総会で発言権を持つために実物決済が使われることもあります。株主総会で発言権を持つには、株主名簿に名前が載っている必要があります。信用取引で借りた株では発言権はありません。そのため、実物決済で株を手に入れて、株主名簿に自分の名前を載せることで、発言権を得ることができます。 つまり、実物決済は投資の作戦だけでなく、株主としての権利を守るためにも役立つ方法です。
先物取引

先渡取引:将来の価格変動リスクを管理

先渡取引とは、将来のある特定の日に、あらかじめ決めておいた価格で、特定のものを売買する約束をする取引のことです。将来の価格変動リスクを避けるために利用されることが多く、様々な商品や金融資産が対象となります。例えば、コーヒー豆や原油などの商品、あるいは株式や債券などの金融資産が挙げられます。 具体的な例を挙げると、コーヒーショップの経営者が、将来のコーヒー豆の価格上昇を心配しているとします。この経営者は、コーヒー豆の生産者と先渡取引を結ぶことで、将来の価格上昇によるコスト増加を避けることができます。具体的には、将来のある日に、例えば半年後に、特定の量のコーヒー豆を、現在の価格で買う約束を生産者と交わします。もし半年後に実際にコーヒー豆の価格が上がっていたとしても、既に約束した価格で購入できるので、コスト増加の心配はありません。 反対に、コーヒー豆の生産者は、将来のコーヒー豆の価格下落を心配しているとします。この生産者は、先渡取引を利用することで、一定の価格での販売を約束することができます。つまり、半年後にコーヒー豆の価格が下がっていたとしても、既に約束した価格でコーヒー豆を売ることができるため、価格下落による損失を避けることができます。このように、先渡取引は買い手と売り手の双方にとって、将来の価格変動リスクを管理する有効な手段となります。 先渡取引は、取引所などの公的な市場を通さず、当事者間で直接行われる相対取引です。そのため、取引条件を自由に設定できるというメリットがあります。例えば、取引するものの量や質、受け渡し日、支払い方法などを、当事者間で自由に話し合って決めることができます。この柔軟性は、先渡取引の大きな魅力の一つです。しかし、当事者間で直接取引を行うということは、取引相手が約束を守らない可能性、つまり信用リスクも考慮に入れなければなりません。取引相手をよく調べて、信用できる相手かどうかを確認することが重要です。また、契約内容を明確に文書化しておくことも、トラブルを防ぐために大切です。