現受け・現渡しとは?仕組みと注意点
為替証拠金取引(FX)では、通常、通貨を売買した際の差額で損益が決まります。しかし、実際に通貨を受け取ったり、渡したりすることも可能です。これを「現受け・現渡し」と言います。
現受けとは、自分が買った通貨を実際に受け取ることを指します。例えば、ドル/円という通貨ペアでドルを買っている場合、そのドルを自分の銀行口座に送金してもらうことができます。これは、まるで両替所で円をドルに交換し、そのドルを受け取るのと似ています。円をドルに交換し、実際にドルを手にするイメージです。
一方、現渡しとは、自分が売った通貨を実際に渡すことを指します。例えば、ドル/円という通貨ペアでドルを売っている場合、自分が持っているドルを渡すことで、代わりに円を受け取ることができます。こちらも両替所でドルを円に交換するのと似ています。持っているドルを渡し、代わりに円を受け取るイメージです。
通常、FX取引は差金決済で行われます。これは、取引で得た利益や損失だけを精算する仕組みです。例えば、1ドル100円の時に1万ドル買って、1ドル110円になった時に売れば、10万円の利益となります。この場合、実際にドルを受け取ったり、渡したりする必要はありません。利益の10万円だけを受け取ればよいのです。
しかし、現受け・現渡しを利用すれば、実際の通貨を自分の銀行口座に保有したり、売却したりすることが可能になります。例えば、海外旅行に行く際に、現受けを利用して必要な外貨を手に入れたり、海外からの送金を受け取る際に、現渡しを利用して日本円に交換したりすることができます。ただし、現受け・現渡しには手数料が発生する場合があるので、事前に確認しておくことが大切です。