有価証券の募集:基礎知識
お金を集める方法の一つに、会社が新たに株や債券などを発行して、広く人々に買ってもらう方法があります。これを募集といいます。会社は事業を広げたり、新しい設備を導入したりするために、お金が必要になります。そのお金を集めるために、株や債券を発行して投資家から資金を調達するのです。この時、多くの投資家に買ってもらうように働きかけることを募集といいます。
ただし、株や債券を誰かに買ってもらうように勧めても、必ずしも募集とみなされるわけではありません。例えば、特定の知識や経験が豊富で、多額の資金を持っている一部の投資家だけに、株や債券の購入を勧める場合は、募集とはみなされません。なぜなら、このような投資家は、リスクを十分に理解した上で投資判断を行うことができると考えられているからです。法律では、このような投資家を適格機関投資家や特定投資家と呼んでいます。
では、どのような場合に募集とみなされるのでしょうか?それは、不特定多数の人々に対して、株や債券の購入を勧める場合です。多くの人々に呼びかけるということは、投資の経験や知識が少ない人も含まれる可能性があります。このような人々を保護するために、法律では、不特定多数への勧誘を募集と定義し、様々なルールを設けているのです。
具体的には、たくさんの人を対象に株や債券の購入を勧める場合、または適格機関投資家や特定投資家「以外」の人にも勧誘を行う場合は、募集とみなされます。つまり、勧誘する相手の範囲によって、募集かどうかが決まるのです。
会社がお金を集める際には、この募集の定義を正しく理解することがとても大切です。募集に該当する場合は、法律で定められた手続きを踏まなければなりません。適切な手続きを踏まずに資金調達を行うと、法律違反になってしまう可能性があります。そのため、会社は、募集の定義を理解し、適切な方法で資金調達を行う必要があります。