金額表示のない株:無額面株式とは?
株式投資を始めるにあたって、株には様々な種類があることを知っておくことは大切です。株の種類の一つに「無額面株式」というものがあります。これは、株券に金額が印字されていない株のことです。
昔ながらの株には「額面金額」と呼ばれる金額が設定されていました。この額面金額を基準にして株の値段は上下していました。しかし、無額面株式にはこの基準となる額面金額がありません。そのため、株の値段は、市場でどれだけ買いたい人がいて、どれだけ売りたい人がいるか、つまり需要と供給のバランスによって決まります。
無額面株式には、会社と投資家双方にとってメリットがあります。会社にとっては、お金を集める際に、より柔軟に対応できるようになります。例えば、額面金額があると、株を発行する際に最低額面金額以上の価格で発行する必要がありました。しかし、無額面株式であればこのような制約がなく、市場の実情に合わせて自由に価格設定ができます。
投資家にとっては、額面金額に惑わされることなく、投資の判断ができるようになります。額面金額があると、株の値段が額面金額を大きく下回っている場合、「額面割れ」と呼ばれ、投資家が損をする可能性が高いと判断されがちでした。しかし、無額面株式であればこのような心配はなく、純粋に会社の将来性や業績に基づいて投資判断をすることができます。
このように、無額面株式は、会社にとっても投資家にとってもメリットのある仕組みと言えるでしょう。近年、多くの会社が無額面株式を採用しており、株式投資をする上で理解しておくべき重要なポイントです。