分散投資と無相関資産
「無相関」とは、簡単に言うと、物事同士に関係性が見られないことを指します。例えば、空の雲の形と今日の晩御飯のメニューのように、全く関連性がない状態です。投資の世界では、この「無相関」という考え方は、様々な種類の資産に投資をする際に重要になってきます。
投資において「無相関」とは、ある資産の価格が上がった時、下がった時、あるいは変化しなかった時に、別の資産の価格がそれとは全く関係なく動くことを意味します。例えば、A社の株価が上昇したとしても、B社の株価や金の価格には何の影響も及ぼさない、というような関係です。これは、「正の相関」(一方が上がるともう一方も上がる関係)とも、「負の相関」(一方が上がるともう一方さがる関係)とも違います。
では、なぜ投資において「無相関」が重要なのでしょうか。それは、無相関の資産を組み合わせることで、リスクを抑えることができるからです。一つの資産だけに投資をしていると、その資産の価格が大きく下落した場合、大きな損失を被ることになります。しかし、複数の無相関資産に分散投資をしていれば、一つの資産の価格が下落しても、他の資産の価格が影響を受けないため、全体の損失を小さく抑えることができます。
例えば、A社の株価が大きく下落したとします。もしA社の株にだけ投資していたら、大きな損失になってしまいます。しかし、A社の株と無相関関係にある金の価格が上昇していれば、金の利益で株の損失をある程度相殺できるのです。このように、無相関な資産を組み合わせることで、リスクを分散させ、安定した運用を目指すことができるのです。無相関資産は、いわば、投資における心強い味方と言えるでしょう。