店頭気配:価格の目安を理解する
店頭気配とは、証券会社が株式や債券といった金融商品を、取引所を通さずに直接お客さまと売買する際に提示する価格の目安です。いわば、証券会社が「このくらいの値段で売買できますよ」と示す目安となる価格のことです。
この店頭気配は、売り気配と買い気配のちょうど真ん中の価格で表されます。売り気配とは、証券会社が投資家から証券を買い取る際の価格です。反対に、買い気配とは、証券会社が投資家に証券を売却する際の価格です。例えば、ある株式の売り気配が99円で、買い気配が101円だとすると、店頭気配は100円となります。
店頭気配は、市場全体の価格の動きや、その証券の需要と供給のバランスなどを総合的に見て、証券会社が独自に決めます。そのため、同じ銘柄であっても、証券会社ごとに提示する店頭気配が異なるケースがあります。ですから、投資をする際には、複数の証券会社の店頭気配を比較検討することが大切です。より有利な条件で売買できる可能性が高まります。
ただし、注意すべき点として、店頭気配はあくまでも目安の価格に過ぎないということです。実際に売買が成立する際の価格は、店頭気配とは異なる場合があります。売買が成立するのは、投資家と証券会社の間で価格について合意ができた時点です。例えば、ある株式の店頭気配が100円だったとしても、投資家が99円で買う注文を出していて、証券会社がそれを受け入れた場合、実際の売買価格は99円となります。このように、店頭気配と実際の売買価格にはズレが生じる可能性があることを理解しておく必要があります。
店頭気配は、投資家が証券会社を通して金融商品を売買する際の重要な指標の一つです。店頭気配をしっかりと理解し、上手に活用することで、投資活動をよりスムーズに進めることができるでしょう。