運用報酬:投資信託の隠れたコスト
お金を育てるお手伝いをしてくれる会社、運用会社。彼らにももちろん、お仕事に対する報酬が必要です。それが運用報酬と呼ばれるものです。皆さんが投資信託にお金を投じると、そのお金を運用会社が責任を持って管理・運用してくれます。そして、その運用サービスへの対価として支払うのが、この運用報酬です。
例えるなら、お家を建てる際に設計士や大工さんに支払う建築費用のようなもの。運用会社は、投資家から預かった大切なお金を、市場の動向を分析しながら、株や債券などに投資していきます。そして、日々の売買や資産の組み合わせの見直し、さらには市場の分析など、様々な業務をこなしています。これらの業務を行う専門家への報酬として、運用報酬が支払われているのです。
この運用報酬は、投資信託の基準価額、つまり投資信託の値段から毎日少しずつ差し引かれます。そのため、私たち投資家が現金で直接支払うわけではありません。そのため、普段はあまり意識することがないかもしれません。しかし、長い期間投資を続けるほど、この小さな日々の積み重ねが大きな金額になり、投資で得られる利益に影響を与えてくるのです。
例えば、同じように成長が見込める二つの投資信託があったとします。片方の運用報酬が高く、もう片方は低いとしましょう。当然、運用報酬が低いほど、最終的に手元に残るお金は多くなります。ですから、投資信託を選ぶ際には、運用内容だけでなく、この運用報酬にもしっかりと目を向けることが大切です。塵も積もれば山となる、という言葉があるように、小さな差が大きな差を生む可能性があることを忘れてはいけません。