価値貯蔵手段:お金の大切な役割
お金とは、私たちが日々当たり前のように使っているものですが、その役割を深く考えると、私たちの経済活動を支える重要な機能を担っていることが分かります。お金には大きく分けて三つの機能があります。
一つ目は、『交換手段』としての機能です。お金が登場する前は、物々交換で商品やサービスを手に入れていました。例えば、お米が欲しい人が魚を持っている人と出会った場合、お米と魚を交換することでお互いのニーズを満たすことができました。しかし、欲しいもの同士を持っている人に出会うのは容易ではありません。そこで、誰もが価値を認めるもの、つまりお金が登場したのです。お金は共通の交換手段となり、欲しいものを簡単に見つけることができるようになりました。
二つ目は、『価値尺度』としての機能です。様々な商品やサービスの価値をお金という共通の尺度で測ることができます。例えば、りんごが100円、みかんが50円だとすると、りんごはみかんの2倍の価値があると判断できます。お金は様々なものの価値を比較することを可能にし、売買をスムーズに行うことができます。
そして三つ目は、『価値貯蔵手段』としての機能です。これは、価値を一定期間保存できることを意味します。例えば、今日働いて得たお金を、明日、あるいは将来使うことができます。物々交換の場合、すぐに腐ってしまうものを交換すると、価値を貯蔵しておくことは困難です。しかし、お金であれば価値が劣化しにくいため、将来の消費のために貯めておくことができます。
このように、お金の持つ三つの機能、交換手段、価値尺度、価値貯蔵手段は、私たちの経済活動を円滑に進める上でなくてはならないものなのです。