会社の基盤、自己資本を理解する
会社がお金で表される財産をどれくらい持っているか、というのは誰しも気になるところです。この財産のことを資本と言いますが、資本には、他人から借りているお金も含んでいます。いわゆる借金です。この借金を全部差し引いて、純粋に会社自身が持っているお金はどれくらいあるのか、これが自己資本です。
自己資本は、会社の真の実力を見るための重要な指標です。もし会社が倒産することになった場合、まず借金をしている人にお金を返さなければなりません。その後に残ったお金で、出資してくれた株主さんにお金を返します。つまり、自己資本が大きいほど、株主さんにとって安心材料となるのです。
では、自己資本はどうやって増えるのでしょうか。大きく分けて二つの方法があります。一つは、株主からの出資金です。株主さんが会社にお金を入れることで自己資本は増えます。もう一つは、会社の活動で得た利益を会社の中に貯めておく方法です。利益をすべて株主さんに配ってしまうのではなく、一部を会社の中に留保しておけば、自己資本は増えていきます。この留保された利益のことを利益剰余金と言います。
自己資本がどれくらいあるかは、自己資本比率という指標で確認できます。これは、会社の総資産に占める自己資本の割合を示すものです。この比率が高いほど、会社は安定していて、倒産しにくいと考えられます。また、新しい事業を始めたり、設備投資をしたりする際に、借金に頼りすぎずに済むので、健全な成長が見込めます。そのため、投資をする際には、自己資本比率は必ずチェックすべき重要な項目の一つです。