外貨預金と仲値の重要性
お金を外国のお金に預ける外貨預金では、円と外国のお金の交換比率である為替レートがとても大切です。この為替レートは常に変動しているため、銀行で提示されるレートはその日の朝に決められた仲値という基準価格に基づいて決まります。では、仲値とは一体どのように決まるのでしょうか。
銀行同士がお金を取引する市場を銀行間市場と言いますが、この市場での取引状況を参考に、午前10時頃に仲値が決定されます。銀行は、この仲値に手数料を上乗せした価格をお客様に売値として提示し、手数料を差し引いた価格を買値として提示します。つまり、仲値は銀行が外国のお金を売買する際の基準となる価格であり、お客様にとっての売値と買値のちょうど真ん中に位置する価格と言えます。
例えば、ある日の午前10時にドルの仲値が1ドル=140円だとします。銀行はこれに手数料を加えた1ドル=140.5円をお客様への売値として、手数料を差し引いた1ドル=139.5円を買値として提示するでしょう。このように、仲値は銀行と顧客の間で行われる外貨取引の基準となる重要な価格です。
仲値は、銀行間市場の取引状況を反映して常に変動しています。つまり、世界の経済状況や政治状況など、様々な要因によって影響を受けます。外貨預金では、預金金利の高低も大切ですが、この仲値の変動も同様に重要です。仲値が円高方向に動けば、同じ金額の円でもより多くの外国のお金に交換できます。逆に円安方向に動けば、交換できる外国のお金の量は少なくなります。ですから、外貨預金を上手に活用するためには、預金金利だけでなく、仲値の変動にも注目することが大切です。仲値を理解することは、外貨預金を始める上で、そして続けていく上で、欠かせない第一歩と言えるでしょう。