グリーンシューオプション:安定価格の立役者
新しい会社の株式が市場で初めて売り出される時や、既に上場している会社が新たに株式を発行する時、株価が大きく変動してしまうことがあります。これを抑えるための仕組みが、グリーンシューオプションです。
株を新たに発行すると、市場に出回る株式の数が増えます。株式の需要と供給のバランスが崩れると、株価が乱高下するリスクが生じます。そこで、株の売り出しを仲介する証券会社は、あらかじめ発行会社から追加で株を発行してもらう権利を持っておくことがあります。これがグリーンシューオプションです。
株価が上がった時は、証券会社はあらかじめ投資家などから借りておいた株を市場で売却します。これにより、市場に出回る株の数が増え、株価の上昇を抑えることができます。売却益は株価が上がったことで損をした投資家に還元されます。
逆に株価が下がった時はどうでしょうか。この時は、証券会社はグリーンシューオプションを行使して、発行会社から追加で株を発行してもらいます。そして、証券会社が市場で株を買い支えます。買い支えにより市場に出回る株の数が減り、株価の下落を抑えることができます。
このように、グリーンシューオプションは、株価が上がり過ぎた時は株を売って、下がり過ぎた時は株を買うことで、株価の安定に役立っています。まるで船がバランスを保つためにおもりを使うように、株価の安定に一役買っているのです。