RCC:整理回収機構の役割
整理回収機構(せいりかいしゅうきこう)とは、正式名称を株式会社整理回収機構(かぶしきがいしゃせいりかいしゅうきこう)といい、経営が行き詰まった金融機関(きんゆうきかん)の不良債権(ふりょうさいけん)を買い取り、その回収を行うことを主な業務とする会社です。金融機関というのは、お金を貸したり、預かったりする仕事を行う組織のことで、銀行や信用金庫などがその例です。不良債権とは、お金を貸した相手が倒産したり、経済状況が悪化したりするなど、様々な理由で返済の見込みが立たなくなった債権のことです。整理回収機構は、これらの不良債権を金融機関から買い取ることで、金融機関の経営を立て直す支援をし、金融システム全体の安定化を図る役割を担っています。
整理回収機構は、1998年(平成10年)に制定された金融再生法(きんゆうさいせいほう)に基づいて設立されました。1990年代後半、日本は金融危機に見舞われ、多くの金融機関が巨額の不良債権を抱え、経営が悪化していました。この金融危機を克服し、国民経済への悪影響を最小限に抑えるために、金融再生法が制定され、その一環として整理回収機構が設立されたのです。整理回収機構は、国からの資金援助を受けて運営されており、国民の税金が投入されているという点で、公益性の高い組織と言えます。
整理回収機構の主な業務は、不良債権の買い取りと回収です。金融機関から不良債権を買い取ることで、金融機関の財務状況を改善し、新たな融資を行う余力を作ります。そして、買い取った不良債権は、様々な方法で回収していきます。例えば、担保となっている不動産を売却したり、債務者と交渉して返済計画を立てたりするなど、状況に応じて適切な方法を採ります。回収したお金は、国に返済されるため、国民負担の軽減にも繋がっています。このように、整理回収機構は、不良債権処理を通じて金融システムの安定化に貢献し、ひいては日本経済の健全な発展を支えている重要な機関と言えるでしょう。