リスク・プレミアム:投資で成功するための鍵
危険を伴う投資には、それに見合うだけの特別な報酬が期待されます。これをリスク・プレミアムと言います。例えば、銀行預金のように元本が保証されている安全な投資を考えてみましょう。これと比べて、株や社債のように値下がりする可能性のある投資は、より高い収益が期待できなければなりません。そうでなければ、誰も危険を冒してまで投資しようとは思わないからです。
このリスク・プレミアムは、どのように計算されるのでしょうか?まず、安全な投資で得られる収益を基準として考えます。国債の利回りが代表的な例です。次に、危険を伴う投資で期待される収益を考えます。この二つの差が、リスク・プレミアムとなります。例えば、安全な国債の利回りが2%だとします。ある会社の株に投資すると、3%の収益が期待できるとしましょう。この場合、株への投資のリスク・プレミアムは1%です。つまり、株価が変動するリスクを取ることへの対価として、安全な国債よりも1%高い収益を投資家は期待していることになります。
リスク・プレミアムは、投資家心理のバロメーターでもあります。投資家が将来の経済に対して楽観的な見通しを持っている場合、リスク資産への投資意欲が高まり、リスク・プレミアムは縮小する傾向があります。反対に、経済の先行きに不安を感じているときは、安全資産への需要が高まり、リスク・プレミアムは拡大します。つまり、投資家がより高い報酬を要求するようになるのです。このように、リスク・プレミアムは、投資家のリスク選好度や市場のセンチメントを反映する重要な指標と言えるでしょう。市場全体の動向を把握するためにも、リスク・プレミアムの動きに注目することが大切です。