証券会社との直接取引:店頭取引とは?
証券会社を通して有価証券を売買する方法には、取引所を介するものと、介さないものがあります。後者を店頭取引と呼びます。店頭取引では、証券会社が投資家の注文の相手方となります。つまり、証券会社と投資家が直接交渉して売買価格を決定する相対取引です。
通常、株式などの売買は取引所と呼ばれる市場で行われます。ここでは、売りたい人と買いたい人の注文が突き合わされて売買が成立します。しかし、店頭取引では、証券会社が自ら保有する有価証券を投資家に売却したり、逆に投資家から有価証券を買い取って自らの保有とする形をとります。ちょうど、お店で商品を売買するようなイメージです。そのため、取引所取引とは異なる特徴があります。
例えば、取引価格は証券会社と投資家の交渉で決まるため、市場価格と比べて有利、あるいは不利になる可能性があります。また、取引時間も取引所の開設時間に縛られません。さらに、取引できる有価証券の種類も、取引所に上場されていないものも含まれます。このように、店頭取引は取引所取引に比べて自由度が高い一方、価格の透明性や公正性が低いという側面もあります。そのため、店頭取引を利用する際は、取引内容をよく理解し、証券会社との信頼関係を築くことが重要です。また、価格や取引条件などを慎重に確認することも大切です。