ロスカットの基礎知識
ロスカットとは、損切り注文とも呼ばれ、投資における損失の拡大を防ぐための重要な仕組みです。株式や債券、為替など、様々な投資商品で価格が予想に反して動いた場合、損失が発生します。この損失がある一定の金額を超えた時に、それ以上の損失を防ぐために、保有している投資商品を売却する、つまり決済する事をロスカットと言います。
価格変動の激しい投資の世界では、どれだけ綿密な計画を立て、分析を行ったとしても、常に利益が出る保証はありません。むしろ、損失が出る可能性も常に考えておく必要があります。想定外の出来事や急激な市場の変化によって、あっという間に大きな損失を抱えてしまう可能性もあるからです。そのような事態を防ぐ安全装置として、ロスカットは重要な役割を果たします。
特に、少額の資金で大きな取引ができる仕組み(レバレッジ)を活用している場合は、ロスカットの重要性はさらに高まります。レバレッジは、少ない元手で大きな利益を狙える反面、損失も同様に拡大してしまう危険性があります。もしロスカットを設定せずに放置しておくと、あっという間に投資資金を失ってしまう可能性もあるのです。
多くの証券会社やFX会社では、顧客の資産を守るためにロスカットルールを設けています。顧客の損失がある一定の水準に達すると、会社側が強制的に決済を行うのです。強制的に決済が行われる基準は、各社で定められていますので、事前に確認しておきましょう。ロスカットは強制的に行われるため、投資家自身で決済のタイミングを決められませんが、大きな損失から守ってくれる、投資家にとって心強い味方と言えるでしょう。