為替変動リスクを理解する
為替変動リスクとは、海外の資産にお金を投じる際に、お金を投じている間に為替の交換比率が変わることで、日本円に換算した投資の価値が上下する危険性のことを指します。これは、海外投資をする上でどうしても避けられない危険性と言えるでしょう。
例えば、アメリカの会社の株にお金を投じたとしましょう。お金を投じた時点では、1ドルが100円だったとします。もし、円高になり、1ドルが90円になった場合、株価自体は変わっていなくても、日本円に換算すると価値は下がってしまうのです。100万円で買った株が、円高の影響で90万円になってしまう、といった具合です。
逆に、円安になり、1ドルが110円になった場合はどうでしょうか。この場合は、日本円に換算した価値は上がります。同じ株でも、円安によって110万円の価値になるのです。このように、為替の交換比率の変動は投資で得られる利益に大きな影響を与える可能性があり、注意が必要です。
為替変動リスクを軽減するためには、いくつかの方法があります。例えば、複数の国に分散投資をすることで、特定の国の通貨変動の影響を和らげることができます。また、為替予約などの金融商品を利用して、将来の為替レートをあらかじめ固定する方法もあります。さらに、長期的な視点で投資を行うことも有効です。為替レートは短期的には大きく変動することがありますが、長期的には一定の範囲内で推移する傾向があるため、短期的な変動に過度に反応しないことが大切です。
海外投資は、国内投資に比べて高い収益が期待できる一方で、為替変動リスクをはじめとする特有の危険性も存在します。投資を行う際には、これらの危険性をしっかりと理解し、ご自身の投資経験やリスク許容度に応じて適切な投資判断を行うようにしましょう。