プライマリーバランス:国の財政状態を知る
国の家計簿を理解する上で、基礎的財政収支、別名プライマリーバランスは欠かせない視点です。これは、毎年の政策による収入と支出の実態を示す重要な指標です。
家計で例えると、住宅ローンなどの借金の返済を除いた生活費の収支を考えるようなものです。国の場合、国債の利子や元本の返済といった借金返済分を除いた歳出と、新たな国債発行による収入を除いた歳入の差額が基礎的財政収支となります。つまり、純粋に政策によってどれだけお金がやりくりできているかを示す指標と言えるでしょう。
この基礎的財政収支を見ることで、国が借金に頼らずにどれだけ健全な財政運営ができているかを評価できます。もし、基礎的財政収支が赤字の状態、つまり収入より支出が多い状態が続くと、借金の残高である国債残高が増え続け、将来世代に大きな負担を負わせる可能性があります。
毎年の予算編成において、この基礎的財政収支の黒字化は重要な目標となっています。これは、健全な財政運営を維持し、持続可能な社会を実現するために不可欠です。
基礎的財政収支の改善は、国の財政健全性を高めるだけでなく、経済の安定成長にもつながる重要な要素です。将来世代に負担を先送りしないためにも、私たちはこの基礎的財政収支の動向に注意を払い、政府の財政政策に関心を持ち続ける必要があります。