財市場の均衡:投資と貯蓄の関係
財市場とは、モノやサービスが売買される市場のことです。財市場の均衡とは、売る側である企業の供給と、買う側である家計、企業、政府の需要がぴったりと一致した状態を指します。ちょうど天秤が釣り合っているようなイメージです。この均衡点では、市場に出された全てのモノやサービスが、買い手によって全て購入されます。無駄な在庫も、手に入らない品物もありません。
この均衡状態では、モノの値段や生産量も安定します。企業は需要に合わせて適切な量を生産し、買い手は無理なく必要なものを手に入れることができます。このように、財市場の均衡は、資源を無駄なく使い、市場がうまく機能している状態を示しています。
しかし、常に均衡が保たれるとは限りません。もし、企業が作ったモノやサービスの量が必要以上に多く、需要よりも供給の方が多くなると、売れ残りが出てしまいます。売れ残りが増えると、企業は在庫を抱える負担を減らすため、生産量を減らすでしょう。反対に、モノやサービスへの需要が供給を上回ると、品薄状態になります。欲しい人が殺到し、商品が手に入りにくくなると、値段は上がっていきます。
このように、需要と供給のバランスが崩れると、市場は不安定になります。財市場の均衡とは、こうした過剰や不足がなく、経済全体が安定した状態を意味します。ちょうどシーソーのように、需要と供給が傾き合うことで、適正な価格や生産量が決定され、市場は安定した状態を保つのです。