国民総支出

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国民総支出:経済成長の鍵

国民総支出(国民総支出)とは、ある一定の期間、たとえば一年間に、国民経済全体がどれだけの支出を行ったかを示す指標です。これは、国の経済活動の規模を測る上で、国内総生産(GDP)や国民総所得(GNI)と並んで非常に重要な役割を担います。国民総支出は、簡単に言うと、国民経済が国内外で行った支出の合計です。 もう少し詳しく説明すると、国民総支出は大きく二つの要素から成り立っています。一つ目は、国内総支出です。これは、国内で生産された財やサービスに対する支出の総額を指します。例えば、私たちが日々の生活で食品や衣類を買ったり、サービスを利用したりする際に支払うお金がこれに該当します。企業の設備投資や政府の公共事業への支出なども含まれます。 二つ目は、海外からの純所得受取です。これは、国民が海外から得た所得から、海外へ支払った所得を差し引いた金額です。例えば、日本企業が海外に工場を建てて利益を得た場合や、日本人が海外の企業に投資して配当金を受け取った場合などは、海外からの所得となります。逆に、海外の企業が日本で事業を行い利益を得た場合や、海外の投資家が日本の株式から配当金を受け取った場合は、海外への所得となります。これらの差額が、国民総支出に含まれます。 つまり、国民総支出は、国内総支出に海外からの純所得受取を加えることで計算されます。国内で生産された財やサービスに対する支出だけでなく、海外との取引も考慮に入れているため、国民経済全体の支出をより正確に把握することができます。この指標を見ることで、経済の現状を理解し、今後の動向を予測する手がかりを得ることができます。また、他の経済指標と合わせて分析することで、より多角的な視点から経済を評価することが可能になります。
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GNE:国民経済活動を測る新たな指標

国民総支出(国民全体の支出)とは、ある国に住む人々が1年間に使ったお金の合計を表す指標です。これは、国内で使われたお金だけでなく、海外で使われたお金も含んでいます。分かりやすく言うと、国民総支出は国民経済全体のお金の動きを支出の面から捉えた指標と言えるでしょう。 国民総支出は、国内総支出に海外からの純所得の受け取りを足したものです。国内総支出とは、国内で行われた消費、投資、政府支出の合計です。消費とは、私たちが日々の生活で使う食料品や洋服、家電製品などの購入のことです。投資とは、企業が工場や機械設備などを購入することです。政府支出とは、国や地方公共団体が行う道路や橋などの公共事業や、教育や医療などのサービスへの支出のことです。 海外からの純所得の受け取りとは、海外からの賃金、利子、配当などの受け取りから、海外へのそれらの支払いを差し引いたものです。例えば、日本人が海外で働いて得た賃金や、日本企業が海外に投資して得た利子や配当は、海外からの所得として国民総支出に含まれます。反対に、海外の人が日本で働いて得た賃金や、海外企業が日本に投資して得た利子や配当は、海外への支払として差し引かれます。 従来、経済の大きさを測る指標として国内総生産がよく使われてきました。国内総生産は、国内で生産された財やサービスの付加価値の合計を表す指標です。つまり、生産の面から経済活動を測るものです。しかし、国際的な経済活動が盛んになっている現代では、国民がどこでお金を使うか、どこから所得を得るかという視点も重要になってきています。そこで、支出の面から経済活動を測る国民総支出が注目されるようになってきました。特に、海外との取引が多い国や、海外に多くの投資を行っている国にとって、国民総支出は国内総生産よりも包括的な経済指標として、より重要性を増しています。