固定資本減耗

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指標

NDPで経済の実力を測る

国内純生産(国民純生産)とは、ある国で一定期間内に新しく生み出された付加価値の合計額から、生産活動に使われた機械や設備などの固定資本が消耗した分(固定資本減耗)を差し引いたものです。国民経済における純生産額を示す重要な指標となります。 よく似た指標に国内総生産(国民総生産)がありますが、これは生産されたすべての財やサービスの価値の合計を指します。つまり、国内総生産は生産活動で生まれた価値の総額を見る指標です。しかし、生産活動を行うには、工場や機械、建物といった資本設備が必ず必要であり、これらは使っていくうちに徐々に劣化していきます。この劣化部分を固定資本減耗と言います。 国内総生産は、この固定資本減耗を考慮に入れていません。たとえば、100台の自動車を生産する過程で、工場の機械が劣化し、その修理に10億円かかったとします。この場合、国内総生産には生産された自動車の価値は含まれますが、機械の劣化による10億円のコストは含まれていません。つまり、見かけ上は価値が生み出されたように見えても、実際には生産設備の価値が失われているのです。 そこで、国内総生産から固定資本減耗を差し引くことで、より正確な生産能力を測ろうというのが国内純生産の考え方です。先ほどの例で言えば、生産された自動車の価値から機械の修理費用10億円を引いたものが国内純生産となります。これにより、経済活動の真の結果をより正しく把握できると考えられています。国内純生産は、経済の持続可能性を評価する上でも重要な指標となります。なぜなら、固定資本減耗を無視したままでは、将来の生産能力を維持するための投資が不足し、経済成長が阻害される可能性があるからです。
経済知識

固定資本減耗:価値の減少を知る

企業活動を行う上で、建物や機械設備といったものは欠かせません。これらは固定資産と呼ばれ、企業の生産活動の基盤となります。しかし、これらの資産は永遠に使えるわけではなく、使えば使うほど、あるいは時間が経つほどに、その価値は徐々に失われていきます。この価値の減少のことを固定資本減耗と言います。 固定資本減耗は、普段よく耳にする減価償却費と全く同じ意味です。例えば、工場で稼働している機械を考えてみましょう。毎日稼働することで、部品の摩耗や劣化が進み、徐々に性能は落ちていきます。新品で購入した時と比べて、その価値は確実に下がっているはずです。また、工場の建物も、風雨に晒され、時間の経過とともに老朽化が進みます。定期的な修繕やメンテナンスを行ったとしても、新築時の価値を維持することはできません。このように、固定資産は使用や時間の経過とともに、必然的に価値が減少していくのです。 この価値の減少分を会計上、費用として計上するのが固定資本減耗(減価償却費)です。固定資本減耗を計上することで、企業の財務状況をより正確に把握することができます。例えば、機械を購入した際に、その全額を一度に費用として計上してしまうと、その期の費用が不当に大きくなってしまい、実際の利益よりも少なく見えてしまいます。しかし、固定資本減耗を計上することで、機械の費用をその耐用年数にわたって分割して計上することができ、より正確な利益を算出することが可能になります。また、固定資本減耗を理解することは、将来の設備投資計画を立てる上でも重要です。既存の設備の価値がどれくらい減少し、いつ頃更新が必要になるのかを予測することで、適切な時期に適切な投資を行うことができます。