商品デリバティブ取引の基礎知識
商品デリバティブ取引とは、将来のある時点で、あらかじめ決めた価格で商品を売買する約束を取引する金融商品です。これは、現物の商品そのものを売買するのではなく、将来の売買の約束を売買する取引です。例えば、3か月後に1トン〇〇円で小麦を売買する約束を、今、取引する、といった具合です。
この取引の対象となる商品は、原油や金、農産物など多岐にわたります。小麦、大豆、とうもろこしといった穀物や、コーヒー、砂糖、ココアなどの嗜好品、さらには、牛、豚といった畜産物も対象となります。これらの商品は、世界経済に大きな影響を与えるため、価格の変動も大きくなります。そこで、将来の価格変動による損失を防ぐために、商品デリバティブ取引が利用されます。
価格変動のリスクを管理する目的以外に、価格変動を利用して利益を得る目的でも利用されます。例えば、将来価格が上がると予想するならば、買う約束をあらかじめしておき、実際に価格が上がったら、その約束を売却して利益を得ます。反対に、価格が下がると予想するならば、売る約束をあらかじめしておき、実際に価格が下がったら、その約束を買戻して利益を得ます。
代表的な商品デリバティブ取引として、商品先物取引と商品先物オプション取引があります。商品先物取引は、将来の特定の日に、特定の商品を特定の価格で売買する約束を取引するものです。一方、商品先物オプション取引は、将来の特定の日に、特定の商品を特定の価格で売買する権利を取引するものです。権利なので、売買する義務はありません。
これらの取引は、金融商品取引所で取引されます。取引所では、多くの参加者が取引を行うため、市場の透明性が高く、売買が容易です。また、証拠金取引であるため、少額の資金で大きな取引を行うことができます。ただし、損失も大きくなる可能性があるため、注意が必要です。商品デリバティブ取引は、リスクとリターンを理解した上で、適切に利用することが重要です。