口先介入

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口先介入の効果と限界

国の財産を扱う役所や日本銀行のようなお金の流れを管理する組織の偉い人が、お金の値段、つまり為替の上がり下がりが激しい時に、その動きを止めようと発言することを、口先介入といいます。これは、実際に売買を行うのでなく、言葉だけで値段の動きに影響を与えようとするため、口先介入と呼ばれるのです。 例えば、円の値段が上がりすぎたり、下がりすぎたりした時、これらの偉い人たちが新聞やテレビを通じて、「これ以上、円高(あるいは円安)になると困る」といった考えを伝えたり、「このままでは、対策を考えなくてはいけない」と市場で売買をしている人たちに注意を促したりします。 口先介入は、実際に売買をしていないため、お金の値段への直接的な影響は大きくありません。しかし、市場で売買をしている人たちの気持ちに働きかけることで、値段の大きな変動を抑える効果が期待できるのです。市場で売買をしている人たちは、偉い人たちの発言に耳を傾け、今後の動向を予想しながら売買を行うため、発言によって売買の方向性が変わり、結果として値段の動きに影響を与えることがあるのです。 口先介入は、市場が過熱して値段が乱高下しているのを鎮める手段として、あるいは本格的に売買介入を行う前の警告として使われることが多いです。市場の状況や発言の内容によっては、大きな影響を与える場合もありますが、多くの場合、その効果は一時的なものです。 つまり、一時的に値段の動きを抑えることはできても、長く続く値段の変化を抑えるには、実際に売買を行う必要があるでしょう。口先介入は、市場へのメッセージであり、市場参加者との対話の一環と捉えることができます。市場とのコミュニケーションを上手く図ることで、より効果的な為替政策運営を行うことが期待されます。