受渡日

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経済知識

約定基準で取引を理解する

売買の約束が成立した時を基準に、財産の増減を把握する会計処理の方法を、約定基準と言います。これは、株や債券などの売買において、売買の契約が成立した日、つまり約束が確定した日を基準にして、帳簿に記録するやり方です。 この約定基準は、物事が起きた時に記録する会計処理である発生主義に基づくものです。お金や証券の実際の受け渡しが行われた時とは、記録するタイミングが異なる場合があります。 例えば、株の売買では、約束が確定した日から数日後に証券会社を通して株とお金の受け渡しが完了します。しかし、約定基準では、この受け渡しの日を待つことなく、約束が確定した日時点で売買が成立したものとして処理します。 具体例を挙げると、ある会社が100株の株を1株あたり1000円で買う約束をしたとします。この約束が確定した日が3月1日だとすると、約定基準では、3月1日時点でこの会社は10万円分の株を持っていると記録します。たとえ、株とお金の受け渡しは3月3日に行われたとしても、記録するのは約束が確定した3月1日です。 約定基準を使う最大の利点は、会社の財務状況をより正確に、そして早く把握できる点です。約束が確定した時点で記録することで、会社の資産や負債の状況をより実態に近づけることができます。また、時間の流れに沿って記録することで、財務状況の変化を素早く捉え、経営判断に役立てることができます。 一方で、現金の動きと記録のタイミングがずれるため、資金繰りの管理には注意が必要です。約束は確定したが、実際のお金の受け渡しはまだ先という状況では、手元にある現金と帳簿上の現金の金額が一致しない可能性があります。そのため、現金の流れを別途管理し、資金不足に陥らないように注意しなければなりません。
株式投資

受渡日とは?取引の基礎知識

株式への投資を始めるにあたって、受け渡しの日について知っておくことはとても大切です。この受け渡しの日とは、株式を売買する際に、お金と株式のやり取りが行われる日のことです。 株式を買う場合を考えてみましょう。買った分の代金を支払うと同時に、株式の持ち主となる権利を得る日が、この受け渡しの日です。反対に、株式を売る場合には、株式を手放すと同時に、売った代金を受け取る日が受け渡しの日となります。 この受け渡しの日時は、取引の種類や市場によって変わることもありますが、基本的には売買の約束が成立した日から数営業日後になります。売買の約束が成立した日とは、売買の注文が成立した日のことです。つまり、取引が成立してから実際に株式とお金のやり取りが完了するまでには、少し時間がかかるということです。 この時間差は、証券会社や取引所が取引内容を確認したり、決済処理を行うために必要な時間です。例えば、AさんがBさんに株式を売るとします。AさんはBさんに株式を渡し、BさんはAさんにお金を渡すことになります。しかし、AさんとBさんが直接やり取りをするのではなく、証券会社を通して取引が行われます。そのため、証券会社はAさんから株式を受け取り、Bさんに渡し、Bさんからお金を受け取り、Aさんに渡すという処理を行う必要があります。この処理にはある程度の時間が必要となるため、取引が成立した日と受け渡しの日には時間差が生じるのです。 受け渡しの日をきちんと理解することで、お金の計画を立てやすくなり、滞りなく取引を進めることができます。例えば、株式を買う予定がある場合、受け渡し日までに必要な金額を用意しておく必要があります。また、株式を売る予定がある場合、受け渡し日以降に売却代金を受け取ることができるようになります。このように、受け渡し日を意識することで、資金繰りをスムーズに行うことができます。 さらに、受け渡し日を理解することは、市場の動きを把握するためにも重要です。株式市場は常に変動しており、株価は日々上下しています。受け渡し日までに株価が変動した場合、その影響を受けることになります。例えば、株価が上昇した場合、受け渡し日に受け取る株式の価値が上がりますが、反対に株価が下落した場合、受け取る株式の価値は下がります。 そのため、投資家は受け渡し日までの市場の動向に注意を払い、適切な投資判断を行う必要があります。
国債

債券の着地取引:長期投資の視点

着地取引とは、債券の店頭取引の一種で、売買の約束をした日から実際に債券の受け渡しを行う日までの期間が1か月以上かかる取引のことです。通常の店頭取引では、債券の受け渡しは数営業日以内に行われますが、着地取引の場合は、数か月先、あるいは数年先まで受け渡しを延期することができます。まるで飛行機が目的地に着陸するように、あらかじめ決められた将来の時点で取引が完了するため、「着地」取引と呼ばれています。 この取引形態は、主に投資家が将来の金利変動を見越して、特定の時期に債券を保有したい場合に利用されます。例えば、将来金利が上昇すると予想される場合、事前に着地取引で債券を購入しておくことで、金利上昇による債券価格の下落リスクを回避できます。そして、約束した将来の時点で債券を受け渡し、高い利回りで運用を開始することができます。また、反対に金利が下落すると予想される場合、事前に着地取引で債券を売却する約束をしておけば、金利下落による債券価格の上昇による利益を確保することができます。 着地取引は、発行市場においても重要な役割を果たしています。企業や国などの発行体が債券を発行して資金を調達する際、発行体の資金調達ニーズと投資家の運用ニーズを結びつけるために着地取引が活用されます。発行体は、将来の資金需要に合わせて債券の発行時期と金額を調整し、投資家は自身の運用計画に合わせて債券の購入時期と金額を決定することができます。このように、着地取引は、発行市場における資金調達の円滑化にも貢献しています。また、着地取引は、将来の特定の日に債券の受け渡しを確定させることができるため、投資家にとってはポートフォリオの管理がしやすくなるという利点もあります。
投資信託

投資信託の約定とは?

お金を投じる手段として、広く知られるようになった投資信託ですが、売買の仕組みは少し複雑です。 株式のように、その場で売買が成立するわけではないので、流れをきちんと理解しておくことが大切です。ここでは、注文から取引成立までの流れを、順を追って説明します。 まず、投資信託を買ったり、売ったりするには、証券会社に購入または換金の注文を出します。このとき、どの投資信託を、どれだけの量、買いたいのか、もしくは売りたいのかを指定します。銘柄と口数を入力し、注文ボタンを押すと、手続きが始まります。 次に、証券会社は注文内容を確認します。入力に誤りがないか、資金は足りているかなどをチェックします。問題がなければ、注文は「約定」となります。この約定した日を「約定日」と言います。注文したその日に約定が成立するとは限らず、通常は翌営業日以降となります。 約定日に、売買する投資信託の値段が決まります。この確定した値段で、投資信託の受け渡し、または換金されたお金の受け取りを行います。この受け渡しを行う日を「受渡日」と言い、約定日の数営業日後になります。つまり、注文をしてから実際に投資信託の受け渡し、または換金されたお金を受け取るまでは、数営業日かかるということです。 注文→約定日→受渡日という流れを把握し、余裕を持った資金計画を立てましょう。投資信託は、価格の変動によって損失が出る可能性がある商品です。購入前には、投資信託の仕組みやリスクをよく理解した上で、慎重に判断することが大切です。
投資信託

投資信託の受渡日とは?

投資信託を売買する際には、「約定日」と「受渡日」という二つの日付を理解することが重要です。注文が成立した日が約定日ですが、実際に証券やお金のやり取りが発生するのは受渡日です。この二つの日付は同じではなく、受渡日は約定日から数日後になります。 この数日間のずれは、取引の種類や市場によって異なります。例えば、国内の株式投資信託の場合、約定日の3営業日後が受渡日となるのが一般的です。つまり、月曜日に注文が成立した場合、火曜日、水曜日と来て、木曜日が受渡日となります。ただし、土日や祝祭日が間に入ると、受渡日はさらに後ろにずれます。例えば、木曜日に約定した場合、金曜日、土日と来て月曜日、火曜日となり、水曜日が受渡日となります。 海外の投資信託の場合、受渡日までの期間はさらに長くなることがあります。これは、国によって時差や祝祭日が異なるためです。また、為替の換算なども必要なため、国内の投資信託よりも多くの手続きが必要となります。そのため、海外の投資信託への投資を考えている場合は、受渡日までの日数を事前に確認することが特に重要です。 受渡日を知ることで、資金計画を立てやすくなります。例えば、売却代金で他の投資信託を購入する場合、受渡日がいつになるかによって、次の投資のタイミングを計ることができます。また、購入の際にも、自分の口座に十分な資金があるかを確認する上で、受渡日までの日数を把握しておく必要があります。このように、受渡日は投資信託への投資において重要な要素ですので、しっかりと理解しておくようにしましょう。